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中川エリカ 個展「JOY in Architecture」TOTO ギャラリー間


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 2020年1月から3月まで開催された増田信吾+大坪克亘展「それは本当に必要か。」を最後にほぼ1年間休館していたTOTO ギャラリー間がようやく再開されました。

近所に数あるギャラリーの中でも建築に特化したギャラリー間に1年も行けないなんて悲しかったー。

というわけで早速行ってきました。再開第一弾は

中川エリカ 個展「JOY in Architecture」
です。

中川エリカさんはまだ30代の若手建築家です。

タイトルや解説パネルにある通りこの展覧会には「建築を通じて得る喜び」が溢れています。

最初の展示室はこれまで手がけてきた物件の模型がたくさんみられます。

一つの物件でもたくさん試行錯誤して完成までたどり着くというのがよくわかります。

個人的には階段が好きなのでついつい階段の模型には惹きつけられちゃいます▼

こちらは正確には階段の手すりの模型なのですが、やっぱりじっとみちゃいます▼
模型の階段越しに現実のギャラリーの階段の図▼

建築の展覧会のジレンマってどう足掻いても本物を見せることができないことだと思うのですが、今回の展覧会は一つだけ模型と本物を両方見ることができる物件があります!そう、それはギャラリー間の展覧会そのものとその模型です。こちらは最初の展示室の模型です▼

そしてこちらが上階の展示室の模型▼
これから向かう上階のギャラリー2がこんな感じなんだーと模型で確認してから、
実際にその空間へいけるのですよ▼
こちらは展示室横の屋外スペースの模型
こちらも模型をみながらチラチラ窓の外を見るなんてことができちゃうわけです▼
さあ、それでは屋外スペースへ
屋外スペースは「冬の庭」というタイトルです▼
雨天時を考慮した耐水性のある模型です。
というかビニールカバー付き模型。▼
展示台に乗ってる模型だけでなくその上も下も要注意です。

 

この展覧会はコロナ禍ということで一方通行になっています。
後戻りできませんからじっくり鑑賞してください。▼

それでは上階の展示室へ

上から俯瞰で眺めることもできます。
ここからの視点は模型の視点に近いですね。▼
それでは上階展示室へ

 

ギャラリー2です▼

こちらがさらに面白かった!
中川エリカ事務所スタッフ総出で南米チリまで行って調査したリサーチの展示です▼

例えばこの古タイヤを再利用したホース置き場▼

それを模型で再現▼
こちらは建築現場の簡易スロープ▼
その模型▼
というような、「チリの生きている建築」とでもいうのでしょうか。

簡易で偶然から生まれるこれら建築の機能と耐久性のバランスが絶妙で見入ってしまいました。昔の日本にもこういうものが溢れていたのでしょうけれど、

今は少なくなっていると思います。▼

昨年スキーマ建築計画の長坂常さんが「まかない家具」の展覧会をされてましたが、日本では法律の縛りや日本人の気質から現在は家具の域を脱することはないのが現実。しかも内輪での一時利用なのでまさに「まかない」なのですが。

しかし、南米チリともなると家具ではなく完全に建築の領域にまで達しており、その利用期間はかなりの年月を経ているものもあったりしてすごい。さらにそれは公共空間に堂々と鎮座していたりするのですから。そこには中川氏のいう「建築を通じて得る喜び」ひいては「生きる喜び」と「みなぎる生きる力」が溢れているように感じました。とにかく楽しい展示です。▼

というわけでこれらをじっくり見ることを考慮するとたっぷり1時間はかかります。

しかし!鑑賞は1時間以内という案内がありましたので行かれた際には時間配分を考えながら鑑賞しましょう。

ギャラリー2では中川エリカさんの対談映像も流れているのですが、それが何分の映像なのか不明で、そちらを見るより南米のレポート鑑賞に必死になっていたら時間切れ。
できれば近所なので再訪したいと思っています。

こちらの展覧会は事前予約制です。

ですから密になる心配はありません。

私が行ったのは平日の14時頃でしたが、会期初日だったというのもあり、

まだまだ人は少なくゆったりと見ることができました。

今後会期が進むにつれ来場者は増えると予想されます。

可能なら平日の鑑賞をお勧めします。

中川エリカ 個展「JOY in Architecture」

TOTO ギャラリー間 事前予約制

2021年1月21日(木)〜3月21日(日)

11:00~18:00
*緊急事態宣言下は11:00~17:00に変更

月曜・祝日 (3/20(祝)は開館)

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