活版印刷からデジタルへ、印刷と人間の関係を探る 凸版印刷の「印刷博物館」

凸版印刷と印刷博物館

日本の印刷業界の両巨頭といえば凸版印刷大日本印刷株式会社(DNP)。

今回は凸版印刷が運営する印刷文化に関する博物館その名もズバリな「印刷博物館」を紹介します。

DNPの方が2021年2月にオープンした「市谷の杜 本と活字館」の素晴らしさは、少し前に「本好き、文字好き必見!活版印刷と本づくりがひと目でわかる 大日本印刷の「市谷の杜 本と活字館」」という記事で紹介しました。

印刷博物館エントランス印刷博物館の方は20年以上の歴史ある博物館ですが2020年の10月にリニューアルしています。

DNPの新しい「本と活字館」に対して凸版印刷のリニューアルした「印刷博物館」はどうなのでしょうか。

印刷博物館の館内

印刷博物館は凸版の小石川事業所の1階と地階に位置しています。

展示室マップこれは地下のフロアマップ。

大きな面積を占めるのが展示室です。

展示室内は原則撮影禁止。

地階には展示室の他に印刷工房などがあり、生徒学生の社会見学や一般の人の見学にあてられています。

また1階には「P&Pギャラリー」やミュージアムショップがあります。

印刷博物館の1階

トッパン小石川ビルの1階は凸版印刷のオフィスと共有です。

凸版印刷エントランス左手に凸版印刷の受付が見えますね。

右の壁にズラッと並ぶのは開催が延期になり、現在もどのような形で開催されるのかが不透明なTOKYO2020オリンピック・パラリンピックのポスターです。複数のアーティストとコラボした東京オリンピックのポスターは凸版印刷なのですね。

写真では見切れてしまっていますが左手にはベンチがあり、平日は印刷博物館への来場者と凸版印刷を来訪するビジネスパーソンが入り混じっています。
(凸版印刷の本当の待合ロビーはオフィスエリア内にあるのでここでは事前待ち合わせの人たちですね)

印刷博物館の受付で新型コロナ対策で検温などを行い館内へ。

ギャラリー入り口受付の左手奥はミュージアムショップ。

写真のエスカレーターを下れば地階の展示室へ。

この矢印通りに進むと1階の「P&Pギャラリー」とその奥がライブラリという構成です。

P&Pギャラリー今回訪問したときはP&Pギャラリーで「World Book Design 2019-2020」という展覧会が開催中でした。

入場無料ですが事前予約が必要です。ただし、印刷博物館自体の予約があればこちらの事前予約は必要ないようです。

印刷博物館 展示室

でもやはりメインは地階の展示室ですね。

エスカレーターを降りるとチケットカウンターがあり、その奥から展示室です。

エスカレーターを降りた先のブースがチケットカウンター。その裏側がロッカーです。

チケットを購入したら右手の入り口から ”プロローグ” という人類のビジュアルコミュニケーションの歴史をアーカイブしたエリアを通って展示室に至ります。

右のプロローグエリアの裏側のところにもいろいろ情報が描かれています。

入館料は大人が400円。ここで見学できる情報量を鑑みれば安いものです。

現在は新型コロナ対策のため事前予約制の入館になっています。
事前予約はこちらから。
10時から17時まで、30分刻みで予約が可能です。

ただですね、各回とも定員が50人なのですが定員に満たない場合、入館チケットは

当日、定員に空きがある場合のみ当館受付でご購入いただけます

とのことなのです。

正直なところ印刷博物館に30分間で50人も来館することはまずないので、当日ぶらっと行っても間違いなく入れます。よほど運が悪くて団体さんとぶつかっても30分ほど2階のカフェで待っていればいいのです。

基本的に写真撮影不可なので残念ながら写真を使った紹介はここまでです。

DNPの本と活字館とは雰囲気が異なり学術的な視点もあり印刷文化史といった大きなテーマの ”博物館” という印象が強い展示です。

本気で見ようとすれば常設展示だけでも1時間では足りません。時間の余裕を持って訪問しましょう。

印刷博物館への行き方

凸版印刷の情報コミュニケーション系の部署を訪問したことがある方なら分かると思いますが駅からは遠いです。

飯田橋の駅から目白通りに沿いに早稲田方面へ首都高の下を歩いて15分くらいかかります。

あの高いビルがトッパン小石川ビル。あのビルの地階が印刷博物館です。

ふぅ〜、やっと小石川ビルに着きました。

ビルの入口にある印刷博物館の球体。

同じものが印刷博物館の入り口にも置かれています。ビル内でこの球体が置かれているサイドが印刷博物館、反対側がオフィスエリアになるので間違えないようにします。

入り口はこのファサードの奥、タクシーが停まっている向こう側が入り口です。

凸版印刷という大企業のビルなので警備員さんが常駐していますが特に気にする必要はなく、声がけされたこともありません。

奥のドアから入り反対側のドアに出るちょうど手前が印刷博物館の入り口。例の球体もその辺りに置かれています。

印刷博物館の周辺

飯田橋の駅から15分歩いて展示をじっくり見ればぐったりしてしまって、帰りは駅までタクシーで・・と思わずにはいられませんが、印刷博物館(と凸版印刷小石川事業所)の近所にはいろいろ興味深い会社があったりします。

例えばここは書籍の取次で有名なトーハンの本社。

印刷博物館とは目白通りを挟んで200mほどの距離です。

また、飯田橋から印刷博物館への途中の目白通り沿いにはフォントのモリサワの東京本社があります。

これは出版社の新潮社

印刷博物館から神楽坂を抜けてその先、ちょうど「本と活字館」と「印刷博物館」の中間辺りにあります。

実は、印刷博物館と本と活字館の間は歩いて移動することもできてしまう距離なのです。
神楽坂辺りでひと休みすれば、1日で印刷博物館と本と活字館の両方を見学できてしまいます。

凸版と印刷博物館、DNPと本と活字館。印刷という出版文化のインフラを担う企業とフォントや取次といった印刷や出版を支える技術を持つ企業、そして出版物そのものを企画して発行する企業が狭いエリアに集積している様子を実感できると思います。

凸版印刷と印刷博物館

凸版印刷の文化に対する姿勢を示すものとして開設されている印刷博物館。

DNPの本と活字館と期せずしてオープンとリニューアル時期が重なりましたが、それぞれ両社の社風が垣間見えるようで興味深いですね。

もっとも後発のDNPの方が印刷博物館とは違う路線を取らざるを得なかったのかもしれませんが。

これは印刷博物館で無料で配布している「印刷博物館ニュース」という季刊紙。

先日紹介した本と活字館ともども、印刷やビジュアルコミュニケーションに興味ある人々にとっては興味深い施設です。

印刷博物館

文京区 水道 1-3-3

月休 事前予約制

開館時間 10時〜18時

入場料 一般 400円、学生 200円、高校生 100円、中学生以下および70歳以上は無料

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