全員澤田知子!「狐の嫁いり」東京都写真美術館

400人の澤田知子

澤田知子のデビュー作「ID400」は確かに強烈でした。制作年を見ると1998年なのでもう23年も前のなのかーとちょっと驚きました。最初に目にした時の印象が強烈だったのを今でもよく覚えています。

ID400は澤田知子の卒業制作であり、デビュー作です。400人に変装した作家本人による証明写真で、今回の東京都写真美術館の展覧会「狐の嫁いり」でも冒頭に展示してあります。

会場に入った瞬間に当時の記憶が鮮明に蘇るとともにその圧倒的な人数に改めて驚かされます。これ、全員澤田知子本人ですから。

ID400

公立美術館初個展

卒業制作で華々しくデビューを飾り、その後数々の賞を受賞。作家として活動してすでに25年になる澤田知子ですが、なんと今回が公立美術館初個展だそうです。意外〜っていうのが正直な感想です。では、私は一体どこで目にしていたのかな?と疑問に思います。

今回の展覧会の様子です。▼

東京都写真美術館「狐嫁いり」澤田知子

作家ひとり

会場は澤田知子、澤田知子、澤田知子、澤田知子、澤田知子、澤田知子、澤田知子、澤田知子で埋められています。何度も書きますが、ここに写っている夥しい数の人物がたった一人の作家自身です。にわかに信じがたいとは思いますが、それは実際にいって確かめてください。

東京都写真美術館展覧会場

会場の詳細は動画をどうぞ▼

内面と外面

ID400は「変わらないはずの内面と簡単に変わる外見」をコンセプトにつくられた作品で、400人に変装した後、最後に自分で髪を剃り、スキンヘッドにノーメイクの自分の写真を撮って制作を終えたという背景があります。

このデビュー作のコンセプトは現在でも制作の大事な軸となっていて、今回の展覧会で初期作品から最新作までを一気に観賞する事でよーく理解できます。

ハインツとのコラボ作品

唯一澤田知子が出てこない作品がこの「Sign」です。この作品はハインツとコラボレーションした作品で、ハインツのトマトケチャップとマスタードのパッケージの文字が世界の言語になっています。すべての言語を読める人はいないだろうけれど、だいたいどこの辺りの地域の文字のなのかは見当がつきます。それは欧米人から見たアジア系が、韓国人、中国人、日本人の見分けがつかないのに似ているということから派生した作品です。

展覧会場全体で一つの新作

この展覧会は、冒頭の鮮烈なデビュー作《ID400》の貴重なオリジナルバージョン、そして初公開の最新作《Reflection》(2020)、最後出口に展示されている澤田知子の原点であるセルフポートレートの《Untiled》(1996)まで、展覧会場全体で一つの新作として捉える構成となっています。

会場風景

小冊子

展覧会場では作品のキャプションがない代わりに小冊子の配布がされています。小冊子の制作データと簡単な解説を読みながら作品を観賞することができます。▼

フライヤーと小冊子

澤田知子「狐の嫁いり」

2021.3.2(火)5.9(日)月休

10:00~18:00  写真撮影可

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