松濤美術館「フランシス・ベーコン ーバリー・ジュール・コレクションによるー」

葉山から

渋谷区立松濤美術館に「フランシス・ベーコンーバリー・ジュール・コレクションによるー」を観に行って来ました。この展覧会は葉山の神奈川県立近代美術館からの巡回展で、早く都内に来ないかなぁと待っていたので始まってすぐに行って来ました。

今調べたらやはり緊急事態宣言発令により休館になっているので、始まってすぐに観に行ってよかったです。まだ行かれてない方は再開されてから出かけてください。

渋谷区立松濤美術館フランシス・ベーコン

バリー・ジュールとは

バリー・ジュール氏はベーコンのアトリエの近所に住んでいた縁で、1978 年に画家と知り合いました。それ以後1992年にベーコンが亡くなるまで様々な身の回りの仕事を頼まれていました。

1996年になって、ベーコンがマドリッドで客死する10日前に突然2000点の作品や資料を贈られたと明かしました。そこには「Xアルバム」と呼ばれるドローイ ング、「ワーキング・ドキュメンツ」と呼ばれる多くの新聞や 雑誌の紙片上に直接描きこまれたイメージなどが含まれ、 それまでベーコン自身が創り上げてきたセルフ・イメージを覆すような新たな資料の出現として話題となりました。

その後バリー・ジュールコレクションは2000年のダブリンを皮切りにロンドン、パリ、など世界各地で展覧会を開催し、2004年にはテート・ギャラリーに約1,200点が寄贈されています。その膨大なバリー・ジュール・コレクションのうち約130点の日本初公開の展覧会です。

不本意?

そもそもセルフイメージをコントロールしていたベーコンにとってこの秘められた作品群を公開することは不本意なのではないだろうかという疑問が湧いてきます。

ジュール氏によると約2000点もの作品や資料をベーコンから贈られた時ジュール氏は、これらをどうしたらいいのかベーコンに訊ねたところ“どうしたらいいかわかってるだろう?”と言われたそうです。破棄してほしいならば、以前に作品を破棄するのを手伝ったりもしていたので、ベーコンははっきりとそう言うだろう、でもそう言わなかったということは、きっと取っておけということなのだろうとジュール氏は解釈したわけです。

会場は2会場に分かれています。地下1Fが第一会場。第二会場は2階です。▼

渋谷区立松濤美術館フランシス・ベーコン

展示室内は撮影禁止なのでエレベーターホールのベーコン作品を使ったサインの写真です。▼

渋谷区立松濤美術館フランシス・ベーコン

捨てられなかった作品?

年表によると、ベーコンは25歳(1934年)と34歳(1943年)の2度に渡り作品の大半を破壊しています。現在、知られているベーコンの代表作はその2度目の破棄以降に生み出されていった作品です。今回出品されている作品の中で、最初期にあたる1930年代の作品が10点あります。つまり、何らかの理由で2度の破棄の際に捨てることができなかった作品と考えられるものです。きっとベーコンにとって何か捨てられない理由があったのでしょう。この10点には郷愁や愛着の気持ちを読み取ることができます。そしてこれらの油彩画は、キュビスムやシュルレアリスムに傾倒したベーコンが若き日に描いた貴重な作品群でもあります。

若き日のベーコンの作品10点は第二会場にあります。▼

渋谷区立松濤美術館フランシス・ベーコン

展覧会図録です。▼

渋谷区立松濤美術館フランシス・ベーコン 展覧会図録

この展覧会がベーコンにとって本当に本意なのか、不本意なのか、真実は闇の中です。晩年のベーコンの側にいたジュール氏の言葉を信じるしかないでしょう。

フランシス・ベーコン

ーバリー・ジュール・コレクションによるー

渋谷区立松濤美術館

東京都渋谷区松濤2-14-14 MAP

2021年 4月20日(火)~ 6月13日(日) 月休 10:00-18:00
【臨時休館期間:2021年 4月27日(火)~ 5月11日(火)】*休館期間は延長の可能性があります

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