個人邸
藤森照信設計の個人邸「チョコレートハウス」は何がチョコレートかというと銅版で覆われた茶色いお家だからその名がついたのだと思います。今回オーナーさんの許可を得て、お庭からそのチョコレートハウスを見学・撮影させてもらうことができました。
3階建ての自宅の3階からニョッキリと飛び出しているのは茶室です。オーナーはお茶を嗜んでいるわけではないそうです。この感じどこかで見たことありますよね?
スポンサーリンク茶室
チョコレートハウスの竣工は2009年です。
藤森照信の出身地茅野市の神長官守矢史料館にある茶室空飛ぶ泥船の3年ほど前にこのチョコレートハウスは竣工しています。
私自身は茅野市の空飛ぶ泥船と高過庵を数年前に訪れ、その後2017年にもう一つの茶室低過庵が完成したという話を聞いて翌年再訪したので、茅野市の茶室3つを先に目にしていましたが、竣工の時系列では高過庵2004年、チョコレートハウス2009年、空飛ぶ泥船2010年、低過庵2017年という順番に竣工したのです。
高過庵とチョコレートハウスの間に2006年竣工した清春芸術村の「茶室徹」もありますね。
高〜いところの茶室、家から飛び出さんばかりの茶室、とうとう茶室が空へ飛び立った!というストーリーを勝手に想像してしまいました。
茅野市の高過庵です。この写真は2回目の訪問時2018年です。▼
空飛ぶ泥船 これは中に入るのが大変そう。
でも外から見てるだけでもなんだか楽しい▼
こちらは屋根が横にスライドして出入りする低過庵。胴体は焼き杉です。▼
スポンサーリンク清春芸術村の茶室徹。
茶室のデザインはこの茶室が一番チョコレートハウスの茶室に似てます。窓の位置デザインなどはそっくりですね。▼
おそらく藤森照信が最初に設計した茶室は、1997年竣工の非常に有名な故赤瀬川原平邸ニラハウスの中の茶室だと思います。その後1999年旧ARAIスキーリゾート(現ロッテアライリゾート)のザ・フォーラム炭軒の中の天井が炭で覆われた茶室です。
そして、一連の藤森茶室のデザインの第一号と呼べるのが湯河原にある一夜亭です。この一夜亭は某元首相のお宅の庭に独立して建っている茶室です。色といい形といい、浮き具合といい、一連の茶室の原型と呼べるのではないでしょうか。
実はワタクシ、お仕事の関係でこの元首相宅の茶室一夜亭に行ったことがあります。中にも入りましたが、中に入るのはちょっと大変ですが、入ってしまうと案外広くて心地よかった記憶です。元首相宅は自宅と茶室とそして陶芸の工房と全て藤森照信建築でした。
元首相も、チョコレートハウスのオーナーも自宅に藤森照信の茶室があるなんて羨ましい〜。
チョコレートハウス 茶室の真下から▼
コッパー
チョコレートハウスのオーナーはとっても茶目っ気のある方で、この家が建った頃に飼い始めた愛犬の名前はチョコレートハウスの材料であるコッパー(銅)にちなんでコッパーちゃんと名付けたんですって!
子供の頃はチョコレートハウスの庭を元気に走り回っていたそうです。今はとってもおとなしくてすごく可愛いワンちゃんでした。
その愛犬の家はオーナーの手作りの立派な家でした。コッパーちゃんだけにコッパー(銅)製のさながらミニミニチョコレートハウスです。
愛犬の家だけでなく、自宅のポストもオーナーの手作りです。こちらもちゃんと銅でできています。可愛いですね。オーナーの藤森照信愛を感じます。▼
この物件は個人邸なので残念ながら詳細な情報は載せられませんが、藤森照信は目立つので、もしも前を通りかかることがあったらきっとすぐにわかりますよ。