CADAN有楽町
昨年2020年にオープンした日本現代美術商協会のギャラリースペース「CADAN有楽町」。
ここでは会員の各ギャラリーが持ち回りで企画展を行っています。会員は現代美術のギャラリーなので、注目のアーティストの動向がここ一箇所で観ることができて便利です。
有楽町や日比谷の駅からも近く、丸の内仲通りに面しているという立地なので仕事帰り、週末のショッピング後にも訪問しやすいギャラリーです。
5月28日(金)から開催中の杉山健司「I I M – 親密な美術館 -」に早速行ってきました。
今回のギャラリー
今回は名古屋を拠点にするギャラリーSTANDING PINEによる展覧会です。地方に行けない昨今、東京で地方のギャラリーの展覧会が観られるのは嬉しいですね。▼
杉山健司 「I I M – 親密な美術館 -」
杉山健司が1998年から展開している想像上の美術館や博物館を作り出す「Institute of Intimate Museum」シリーズ。今回は新作を含む10点が展示されています。
様々なオブジェの中に作者の頭の中にある図書館や博物館があり、それを鑑賞者が覗くスタイルです。一つのオブジェクトを覗けるのは鑑賞者一人だけなので、その時点で鑑賞者は作者の世界と1対1で対峙しなければなりません。
▼大きな箱の中に拡がる図書館。
▼紙袋を加工して作られたドクロをイメージしたかのようなオブジェ。
その大きく開いた目の中を覗くと本がびっしり入った本棚が。これも図書館をイメージしているようです▼
会場の窓際に置かれた目玉のオブジェ。▼
その瞳に開けられた穴を覗くとそこは美術館のようです。よく見れば作者の過去の作品が展示されている美術館だと分かるそうです。▼
▼会場内には白い長方体の上に立つ人物のオブジェも。
▼上から覗くと書籍が乱雑に積まれた図書館? あるいは図書室が見えます。
こちらの人物もそう、図書館のような空間が見えます。▼
▼上から覗いてみましょう。
会場内の様々なオブジェを覗くと展開される作者の世界、それを覗くことで得られる鑑賞者の世界。
でも会場の前を行き交う人からすれば、作品を覗く鑑賞者がいる会場自体が作者の描く世界と変わらないという入り組んだ構造なのです。
これまでのCADAN有楽町
今回の杉山健司も非常に示唆に富む展覧会ですが、各ギャラリーが力を入れて企画展を開催しているだけに、毎回刺激的な展覧会が開催されています。
▼これは2月の「“Infinite Jest”」展での根本祐杜の作品。
篠田守男、真島明子、アマンダ・マルティネスの「Medium Variable」展での篠田守男の作品▼
有楽町ビルの1階、丸の内仲通り側の角にあるCADAN有楽町。
アクセスも良いですし平日でも19時までオープンしているので近くに行ったらチェックしておきたいギャラリーです。
そして現在開催中の杉山健司「I I M – 親密な美術館 -」、これはぜひ観ておきたい展覧会です。
杉山健司「I I M – 親密な美術館 -」
CADAN有楽町
2021年5月28日(金)~6月13日(日) 11:00 – 19:00(土日は17:00まで) 月休