資生堂ギャラリー 第八次椿会 ツバキカイ8「このあたらしい世界」

資生堂ギャラリー

ギャラリー小柳の「still life 静物」に続いて銀座にある資生堂ギャラリーの第八次椿会 ツバキカイ8「このあたらしい世界」です。

「椿会」というのは資生堂ギャラリーが、第二次世界大戦で一時中断していたギャラリーの活動を、1947年に再開するにあたり誕生したグループ展の名前です。その誕生から70年以上にわたり、時代とともにメンバーを入れ替えながら、資生堂ギャラリーの代表的な展覧会として現在まで継続されています。

これまでに総勢86名の作家が参加しています。その変遷を辿ると最初は横山大観などの日本画と藤田嗣治など洋画と呼ばれる時代の作家からスタートしています。70年代に入ると日本画・洋画に彫刻も加わり佐藤忠良や船越保武らが加わります。90年代になって選出作家が現代美術に移行していきます。李禹煥、野見山暁治、堀浩哉、船越桂などが参加しています。

 

2000年代になってようやく現代美術の女性作家の児玉靖枝、辰野登恵子、青木野枝らが参加します。それまで第3次椿会(1974年−1990年)に三岸節子が唯一入っているだけです。その顧客の大部分を女性としている資生堂でさえ女性作家が参入するのは2000年代という事実に驚きを隠せません。戦後50年は美術の世界も世の中同様男性優位の世界だったということがとてもよくわかります。ある意味世の中より遅れているくらいですね。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

触発

第八次椿会メンバーは杉戸洋、中村竜治、Nerhol (ネルホル)、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]の6組です。

テーマは「触発」です。この展覧会は今までの椿会の展覧会で資生堂が購入し所蔵した作品で資生堂アートハウスでも再展示の機会があまりなかった第五次以降の椿会収蔵作品200点の中から第八次椿会メンバーが「あたらしい世界」を予感させる作品を選び、その作品から受けた「触発」を自身の作品とともに展示するという試みです。

中村竜治

地下のギャラリーに入って最初に目に入るのは内藤礼の作品です。内藤礼の「ひと」を選んだのは中村竜治です。中村竜治の作品はこの内藤礼の「ひと」が置かれている展示台です。▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

内藤礼作品と中村竜治作品の台の向こうに見えている顔の描かれた作品は三輪美津子の作品です。この作品も中村竜治が選んだ作品です。内藤礼も美輪美津子も同じモチーフを何度も繰り返しているところに興味を持ちセレクトしたそうです。内藤礼作品と自身の作品である展示台越しの美輪作品の見え方も当然意識したインスタレーションになっています。▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

宮永愛子

宮永愛子は選んだ畠山直哉の写真作品と青木野枝の立体作品と自身の作品を一列に展示しています。作家は「昔、海だった銀座に3点を”水つづき”で並べてみようと思っています。」と語っています。各々の作家が自分の表現方法で「時間」を可視化した作品が並んでいるように感じました。▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

 

宮永愛子のナフタリンの作品「MESSAGE 2019/2021」の瓶の下部からちらりと見えている紙▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

Nerhol/ネルホル

ギャラリーのとっても低い位置に展示されているのは、アーティストデュオnerholの連続撮影した写真を数百枚重ねて彫り込んでできるレリーフ作品です。▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

杉戸洋

杉戸洋の作品は手前の「おきもの」2021年で、選んだ作品は畠山直哉の「赤瀬川さんのアトリエより」です。▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

ミヤギフトシ

入り口から階段を降りて踊り場に展示してあるのがミヤギフトシ作品です。写真はミヤギ太が選んだ伊藤存の作品です。▼

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」 資生堂ギャラリー

現代芸術活動チーム目[mé]の作品だけは撮影禁止でした。

作家が選んだ作品とそれに対して展示している自身の作品との関係性などを考えながら見ているとあっという間に時間が経ってしまいます。まだまだ会期はあるので銀座に行ったら是非。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界」

資生堂ギャラリー MAP

2021.6.5~8.29  火~土 11:00~19:00  日・祝 11:00~18:00 月休

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