大回顧展 GENKYO 横尾忠則 「原郷から幻境へ、そして現況は?」東京都現代美術館

東京都現代美術館

現在、東京都現代美術館では所蔵作品を紹介する「MOT コレクション Journals 日々、記す」の一部の特別展示としてこのブログでも紹介した「マーク・マンダース:保管と展示」が始まっています。

では、企画展示室では何をやっているかというと、GENKYO 横尾忠則「 原郷から幻境へ、そして現況は?」とMOT アニュアル2021「海、リビングルーム、頭蓋骨」の二つの企画展が開催されています。

 

まずはGENKYO 横尾忠則から。

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

展覧会内容

まず、展覧会は撮影禁止です。ですから残念ながら会場内の写真はありません。

会場は東京都現代美術館企画展示室1Fと2Fです。マークマンダース の不在展は3Fだけでしたから作品出品数が多いのがわかります。

出品数は約500点です。時間と心に余裕がないと受け止めきれません。ここ要注意ポイントです。

私の不確かな記憶ですが、東京都現代美術館の企画展示室3層全てを使って個展(グループ展ではない)を開催したのは、柿落としのアンソニーカロ展と私も携わった大竹伸朗全景展だけだと思います。

カロは立体なので壁面はさほど使っていません。大竹伸朗全景展は実に2000点を展示したのですから、いかにあの展覧会が前代未聞だったかが改めてわかります。脱線しました。

横尾忠則に戻ります。

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

会場1<1階>

1Fは7つの章からなります。冒頭の「神話の森へ」は1980年の画家宣言の頃の作品が展示されています。

知らない方のために書いておくと横尾忠則はグラフィックデザイナーでした。デザイナーとしても非常に秀逸でオリジナリティあふれる仕事を多く残しています。それが1980年にNY近代美術館でピカソの大回顧展を見たのをきっかけに突如画家宣言をしたのです。

1Fには60年代のグラフィックデザインの仕事の展示もあります。また、特別な展示としては映像作品が2カ所で上映されています。「リメイク/モデル」コーナーに「堅々獄夫婦庭訓」(7分50秒)と「死者の書」コーナーの「Kiss Kiss Kiss」(2分)です。

どちらも長いものではないのでおさえておきたいところ。ループで平面作品と同じスペースで上映されています。

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

滝のインスタレーション

あとは部屋そのものが一つの作品「滝のインスタレーション」は豊島横尾館にあるインスタレーションの発展形のような作品。

幸運にも1人でゆっくり鑑賞できたので、どこまで続く空間なのか本当に分からなくて恐怖感を抱きました。他の人がいたらあのような感覚には陥らなかっただろうなと思います。

テクナメーション

個人的に印象深いのはテクナメーションの作品です。90年代に発表されたシリーズで、確か渋谷PARCOだったと思うのですが、展覧会を観に行って、会場へ向かう狭いエレベーターの中でご本人と一緒になりすごくドキドキした記憶があります。

当時は、滝に動きがあって各作品から聞こえてくる微妙なモーター音が共鳴して不思議な空間になっていました。時が流れ、今回久しぶりに観たら更にローテクでレトロな印象を持ちました。技術の進歩って容赦ないなと思いました。しかし同時に、技術の進歩と作品の良し悪しは無関係だなとも思いました。今見ても良い作品です。

 

会場2<3階>

3Fは6つの賞で構成されています。3階へ行く途中の通路のダウンライトが赤いものになっていたりして色々工夫されています。

ただ、だんだん疲労さえ感じるくらい作品量が多いです。

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

3階は「Y字路」シリーズから始まります。3階は比較的近年の作品が中心なので、懐かしいなとかこの作品を鑑賞した頃は自分はこんな思いを抱いていたなとか、1階で観た作品よりも個人的な思い入れが少なく楽に鑑賞することができました。

3階の会場の最後を飾る作品は今回の展覧会でメインビジュアルに使われている「T+Y 自画像」です。

自画像に描かれた横尾忠則に、展覧会の最後に「さて、現況は?」 と問われているようです。

その他会場

出口に向かう途中の2階にアーカイブコーナーがあります。横尾忠則が高校時代にデザインしたポスター(再製作)などを見ることができます。

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

また、現代美術館エントランスに特設の展覧会ショップが設けられていて、そのショップ壁面にも「WITH CORONA (WITHOUT CORONA)」のコラージュ作品がありますが、こちらも撮影禁止です。

今回の展覧会の主催にはテレビ局や新聞社も入っていて、通常のミュージアムショップではなく、皆川明展の時と同様グッズ売り場が特設会場となっていました。色々グッズも販売されていました。

チケットカウンターの反対側の奥に展覧会ショップがあります。▼

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

Nadiffが運営するミュージアムショップ奥の、普段だと映像を流したりすることの多いスペースにもWITH CORONA (WITHOUT CORONA)が展示されています。

ここだけが唯一撮影可能です。▼

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」 東京都現代美術館

展覧会を見終えて豊島横尾館と村野藤吾設計の横尾忠則現代美術館にまた行きたくなりました。

今回の展覧会で驚いたのは、横尾忠則がグラフィックデザイナーだった事は当然、存在そのものも知らなかったのではないのだろうかという若い方々がたくさん観にきていたのが印象的でした。

テレビ局が主催なのでCMまで流してますから、会期終盤は混雑が予想されます。気の遠くなるような暑さですが、早めに足を運んだ方がいいかと思います。

続いては2121ギャラリー3で開催されている「横尾忠則 The Artists」のレポートです。

GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」

東京都現代美術館

2021年7月17日(土)-10月17日(日) 月休 10:00-18:00  予約優先チケットあり

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