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隈研吾、佐藤可士和、谷尻誠・吉田愛、後智仁のデザインで新しくなった渋谷区のトイレ見学


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THE TOKYO TOILET

渋谷区立鍋島松濤公園内にできた隈研吾設計のトイレと恵比寿駅西口に完成した佐藤可士和のトイレに行って来ました。更に渋谷区の公募で選出された谷尻誠・吉田愛SUPPOSE DESIGN OFFICEの千駄ヶ谷駅前トイレもレポートします。

2022年7月22日に完成した広尾の後智仁のトイレ情報も追記しました。(2022。

渋谷区内の公衆トイレを著名なクリエーターのデザインで順次リニューアルしていくのは日本財団が2020年より始めた「THE TOKYO TOILET 」というプロジェクトです。

著名クリエイターデザイン

昨年8月にリニューアルした富ヶ谷と代々木の坂茂による透明なトイレは有名ですね。

片山正通による恵比寿公園トイレ

その後、片山正通による恵比寿公園(写真▲)、田村奈穂の東三丁目公衆トイレ、槇文彦の恵比寿東公園=通称タコ公園(写真▼)、坂倉竹之助の西原一丁目公園、安藤忠雄の神宮通り公園、ファッションデザイナーNIGOによる神宮前公衆トイレと順次完成しています。

最終的には渋谷区内17カ所の公衆トイレがリニューアルする予定です。

槇文彦の恵比寿東公園 通称タコ公園 トイレ

槇文彦の恵比寿東公園=通称タコ公園▲

田村奈穂の東三丁目公衆トイレ

田村奈穂の東三丁目公衆トイレ▲

安藤忠雄の「あまやどり」神宮通公園トイレ

安藤忠雄の「あまやどり」神宮通公園トイレ▲

 

鍋島松濤公園

MAP

松濤美術館から程近い場所にある鍋島松濤公園にある隈研吾設計のトイレです。

渋谷区立松濤美術館の「アイヌの装いとハレの日の着物」を鑑賞後に寄ってみました。

渋谷区立鍋島松濤公園 隈研吾設計のトイレ

「森のコミチ」と題されたトイレは集落のようなトイレの村というコンセプトです。ランダムな角度の耳付きの杉板ルーバーで覆われた個室は公園という立地から何か遊具のように見えます。時間が経ってこの杉板ルーバーがどんな風に経年変化していくのでしょうか。

渋谷区立鍋島松濤公園 隈研吾設計のトイレ

雨の訪問となりました。森のこみちの平面図です。▲

階段がありますが、だれでもトイレは階段下にあるので車椅子でも利用可能です。

渋谷区立鍋島松濤公園 隈研吾設計のトイレ

THE TOKYO TOILETプロジェクトのトイレには共通のサインデザインが使われています。▲

一番上のサインは何?と思いましたが、幼児用トイレマークです。

中にはすごく低くて小さい便器が設置されていました。他に手洗いと男性用小便器だけなので、女性マークがついていますが、大人の女性はあの低い便座での利用はかなり厳しいと思います。

渋谷区立鍋島松濤公園 隈研吾設計のトイレ

個室の中には各々違うデザインの木による飾りが施されています。▲

隈研吾についてもっと知りたいという方は現在国立近代美術館で開催中の「新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(←会期終了)がおすすめです。

恵比寿駅西口

MAP

恵比寿駅西口、恵比寿像の横にあるトイレです。駅の目の前ではありますが、一度も使用したことはありませんでした。ここは佐藤可士和がデザインしました。

佐藤可士和といえば国立新美術館での個展が新型コロナウィルス感染拡大の影響で会期途中で終了してしまい残念でした。

恵比寿駅西口 佐藤可士和 トイレ

日本財団のTHE TOKYO TOLETのHPはまだ更新されておらず、このトイレにタイトルがあるのかどうかなど詳細は不明ですが、もう数週間前から使用可能です。

恵比寿駅西口 佐藤可士和 トイレ

ストライプの壁に覆われているので人の気配を感じるトイレです。▲

恵比寿駅西口 佐藤可士和 トイレ

平面図です。5つの個室があります。▲

恵比寿駅西口 佐藤可士和 トイレ

夜のトイレの様子です。使用中だと光がつくのでわかりやすいです。▲

恵比寿駅西口 佐藤可士和 トイレ

中の照明の光が漏れて夜の方がきれいに見えます。▲

千駄ヶ谷駅前トイレ

MAP

このトイレは渋谷区内ではありますが、一連のTHE TOKYO TOILETのプロジェクトではありません。

昭和54年竣工の和式で古いトイレを、「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会」開催に向けてリニューアルするにあたり渋谷区がデザインの公募を行いました。

谷尻誠氏・吉田愛氏主宰SUPPOSE DESIGN OFFICE 千駄ヶ谷駅前トイレ

その結果、設計を谷尻誠氏・吉田愛氏主宰SUPPOSE DESIGN OFFICEのデザインが選出されたのがこのトイレです。▲

大きなコンクリート打ち放しの箱が宙に浮いているようなデザインです。

外観の硬質なコンクリートに対して中は温かみのある木で覆われた個室に真鍮の照明などホテルのような設です。

THE TOKYO TOILETの隈研吾、佐藤可士和のトイレは男女別になっていませんが、ここは一応左右にスペースが別れてはいるものの中央にある洗面は共通という構成です。

谷尻誠氏・吉田愛氏主宰SUPPOSE DESIGN OFFICE 千駄ヶ谷駅前トイレ

今まさにオリンピック開催中で近づけないかもしれませんが、隈研吾設計の国立競技場三井ガーデンホテル神宮外苑の杜プレミアのすぐ近くなので合わせて建築見学がおすすめです。

広尾東公園

2022年7月22日に完成し仮囲いが取れたトイレです。デザインはアートディレクターの後智仁/うしろともひとです。

近所のため工事前から、そして工事中も前を通るたびにチェックしていました。

「人はみんな違うという意味において同じである」という思いを表現するトイレをつくりたいと思いから発想を得たトイレのタイトルは、「モニュメントのようになれば」という意味を込めた「Monumentum」。

男女は分かれておらず、バリアフリートイレが2つです。▲

中はごく普通のバリアフリートイレでした。▲

スロープが整備され、車椅子でもアクセスしやすくなりました。

夜の様子です。▲このトイレも夜の方がいい感じです。

このトイレの最大の見せ場はこの背面の大型モニターです。でも、昼間はなんだかよくわかりません。

モニターにはライティングがパターン表示されています。パターンは世界人口と同程度の78億5000~79億通りのため2度とおなじ状態はみられないらしいです。

夜になったらめちゃくちゃよくわかります。ちょっと遠目からは一体何?っていう光を発していました。ただ、日中に見た時と全く変化がないようです。どのくらいの頻度で変化するのでしょうか。

横から見たらマトリックスみたいでした。近所なので、変化の様子を観察していきたいと思います。

ちなみにこれが改修前のトイレです。▲使ったことはありません。


さて、渋谷区のトイレをいくつか紹介しました。

まさか、公衆トイレをみて回る日が来るとは思いませんでしたが、わざわざトイレだけみて回るのも良いし、何かのついでに立ち寄り少しづつ時間をかけてみて回るのもありです。

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