伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館の長い長い階段を見に

長野県松本市の伊東豊雄設計のまつもと市民芸術館へ行ってきました。ここはランダムに散りばめられたドットの壁面と長い長い階段が非常に印象的な建築です。

まつもと市民芸術館入り口▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

劇場ホール

まつもと市民芸術館は2004年に開館した松本市立の劇場です。大小のホールだけでなく、スタジオや会議室、レストランなどが併設された松本の文化発信基地であり芸術拠点です。1800席ある主ホールでは毎年1ヶ月間「セイジ オザワ 松本フェスティバル(旧サイトウ・キネン・オーケストラ)」(小澤征爾氏総監督)による演奏が開かれることでも有名です。ただし、2021年はセイジオザワ松本フェスティバルの全公演の中止が発表されています。

小ホールと大ホールをつなぐシアターパーク▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

伊東豊雄

伊東豊雄で劇場、また伊東豊雄でドットの建築と言うと中央線からも見える座・高円寺を思い浮かべる方は多いでしょう。座・高円寺はまつもと芸術館開館の5年後の2009年に開館しました。

座・高円寺の詳細についてはこちらを参照ください。

伊東豊雄といえばせんだいメディアテークなど国内外で数多くの建築を手掛けていることで有名な建築家の1人です。しかし、元伊東豊雄事務所出身の妹島和世に建築界のノーベル賞と言われるプリツカー賞で先を越されてしまったり、(妹島和代は西沢立衛と共に2010年受賞、伊東豊雄は2013年受賞)国立競技場のコンペに2回参加したものの、結局隈研吾になってしまったり、ちょっとトホホなイメージを勝手に持っていたりします。しかし、数年前に病気をされたそうですが80歳になる現在も2023年に竣工予定の新水戸市民会館が建築中だったりします。

芸術館の外観はグレー、白いドット模様が軽やかです。▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

 

長い長い階段

まつもと芸術館の設計はエスキースコンペで選出されました。芸術館は少し不思議な形をしていて、前面道路から入って大ホールに行くためには、いちばん奥まで行って回り込まなくてはなくてはならない動線になっています。

外観▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

普通はメインストリート側から順にエントランス、ホワイエ、客席、舞台が並ぶ計画となるところです。実際コンペでは伊藤案以外は全てこのレイアウトだったようです。しかし、伊東豊雄は客席と舞台を逆にして、一番奥に客席、敷地中心に近い側に舞台すなわちフライタワーがレイアウトされている案でコンペを勝ち取りました。

その結果、まつもと芸術館の特徴でもある長い長い階段を上り、さらに大きくまわりこんでホワイエに行く着くと言う現在の動線が完成したのです。その長い長い動線は、劇場空間へ向かう時の高揚感を高めるのにふさわしい導入で、南側にある大きな木々をできるだけ残す事にも成功しています。

館の特徴であるエントランスから大ホール入口までの長い長い階段。この空間が劇的でいい!▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

階段の右側の壁面はランダムにドットが散りばめられ、透明のドットと半透明のドットが混ざっています。▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

大ホールへ向かう階段の左壁面▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

階段上部から入口側を見たところ▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

ホール入口前のホワイエ。ガラス面からは外の木々の緑とともに自然光が差し込み、椅子の周りのカーペットはグラデーションになっていてとても印象的な空間です。▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

 

レストラン

コロナウィルス感染拡大の影響で残念ながら休業中のレストラン。しかし、そのおかげでテーブルや椅子が片付けられていて空間そのものを見ることができました。窓にかかるレースのカーテンの模様も壁面のドットと呼応するデザインです。▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

トップガーデン

屋上は芝生の緑が眩しい庭園になっていて開館時間内なら誰でも自由に出入りできます。訪問した時はなぜか誰もいませんでしたが、ベンチが設置されていて、天気の良い日には気持ちのいいスペースです。▼

伊東豊雄設計 まつもと市民芸術館

客席と舞台の位置を逆転したことでできた長い長い階段が、とても印象的な空間になっていて、当たり前でないレイアウトが功を奏している劇場ホールでした。訪問時は開店休業状態でしたが、早くコロナウィルスが終息して文化発信基地に戻ることを祈るばかりです。来年はここでセイジオザワ松本フェスティバルが開催祭されますように。

まつもと芸術館

長野県松本市深志3丁目10−1 MAP

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