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橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳


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銀座のギャラリー小柳で開催中の橋本晶子「I saw it, it was yours.」を観てきました。

インスタレーション

「I saw it, it was yours」は繊細なタッチで描かれた鉛筆画を中心に構成されたインスタレーションです。ギャラリー空間全体が一つの作品になっています。

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

普通の平面作品の展示とはちょっと違うようです。額装されている作品は一つも見当たりません。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

 

「鉛筆画」

いつもよりぐっと照度を落としてある仄暗い空間に配された鉛筆画は折り跡がついていたり、紙で覆われていたりします。そしてそれらは、壁にテープで留められているだけで、その留め方はなんとも心許なく、まるでついさっきまで誰かが居て、壁に鉛筆画を貼り付けていたような気配だけが残る空間です。

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

描かれているモチーフは静物だったり風景だったりするのですが、その世界には色がないだけでなく、音もないように感じます。それは、何かが欠落しているというよりは、もともと色も音もない空間が存在するかのような説得力です。

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

折り跡のある鉛筆画と壁から浮き上がっている鉛筆画が並びます。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

テープで貼られた鉛筆画がテープで貼られています。ん?▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

 

「Curtain」

圧巻なのは、壁一面の巨大なトレーシングペーパーに描かれたカーテンの鉛筆画です。タイトルはそのまま「Curtain」。照明は特別に設置された電球です。

この作品は2020年に資生堂企画の公募展 第14回 shiseido art egg に選出され資生堂ギャラリーで展覧会『Ask him』を開催した時に展示した作品です。資生堂ギャラリーでの展覧会、残念なことに見逃しています。激しく後悔。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

床に垂れ下がるトレーシングペーパー。どれだけ巨大かわかります。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

中央に透けて見える風景画は新作です。この気配!▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

 

照明

展覧会場はつるされた裸電球による照明が印象的です。ギャラリーでは電球色の照明はあまり使いませんが、これはあえての設置です。電源を取らずに済むように電池式?のようです。初めて見ました。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

窓のない壁に描かれたカーテンと木製の棚の上に飾ってある偽物の花、そして電球。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

天井照明も通常のスポットだけでなく昼白色の照明が設置されていました。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

 

リソグラフ

橋本晶子展では、リソグラフによるカードが販売されていました。作品はなかなか手が出ませんが、カードなら購入できます。リソグラフって初めて聞きましたが、リソーが販売しているシルクスクリーンなんですね。簡単にいうと販売終了してしまったプリントゴッコみたいなものかな?

このリソグラフは経年変化で色が薄くなっていくそうで、その儚さもあえての作品だそうです。▼

橋本晶子「I saw it, it was yours.」ギャラリー小柳

 

最近観た展覧会の中で秀逸だった志村信裕展「游動」でカーテンに人工的な木漏れ日を映した「dance」という作品がありました。奇しくも橋本晶子展もカーテンの作品が非常に印象的なインスタレーションです。どちらも儚さと憂いを感じるポエティックな作品でとても魅惑的で心を奪われました。いい作品に出会えた日は気分が高揚します。

基本情報

橋本晶子「I saw it, it was yours.

2021年9月11日(土)­- 10月30日(土) 12:00–18:00 日月祝休、10/22.28日休

ギャラリー小柳

中央区銀座1丁目1−7−5 銀座小柳ビル 9F MAP

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