片山東熊設計、村野藤吾改修設計監修 国宝の「迎賓館赤坂離宮」を見学

記事の評価

国宝の迎賓館赤坂離宮と和風別館游心亭の見学に行ってきました。まずは、片山東熊と村野藤吾、戦前と戦後二人の建築家が関わった迎賓館赤坂離宮と谷口吉郎設計の迎賓館和風別館游心亭の見学を2回に分けてレポートします。まずは迎賓館赤坂離宮と迎賓館の休憩所にあるカフェ、カーブドッチ迎賓館を紹介します。

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

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迎賓館赤坂離宮

迎賓館は、紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所にに1909年(明治42年)に東宮御所(皇太子の居所)として建設されました。地上2階、地下1階、幅は125m奥行き89m高さ23.2mと広大な建物です。

片山東熊設計

設計は、ジョサイア・コンドルの直弟子の片山東熊総指揮の下、当時の一流の美術家、工芸家は総力を挙げて建設した、日本における唯一のネオバロック様式の西洋風宮殿建築です。

外観からは分かりませんが、実はこの迎賓館はレンガで作られており、東京駅より規模は小さいけれど、使っているレンガの数は、東京駅を上回ります。ですから、とても頑丈で戦争や地震にも耐え抜くことができたわけです。

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

この建物は結局、東宮御所としてはほとんど使われず、戦後、建物・敷地ともに国に移管され、国立国会図書館、内閣法制局、東京オリンピック組織委員会など、国会や行政の機関が使用していました。

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村野藤吾設計監修の大改修

戦後、外国の賓客を接遇するための施設が必要となり、5年の歳月と108億円の経費をかけて、村野藤吾設計監修による大改修が行われ、1974年(昭和49年)に現在の迎賓館赤坂離宮が完成しました。この改修工事は、昭和の大改修と言われています。

創建当時、正門は黒で、菊の御紋章の上には王冠がありました。門扉の色が現在の白に変更されたのは、村野藤吾監修の昭和の大改修の時です。この塗り替えについて村野藤吾は、大きな決心が必要だったようで、「赤坂離宮が迎賓館にイメージチェンジする最大のかつもっとも困難な仕事」と「迎賓館赤坂離宮改修記録」に記しています。

残念ながら工事中のため仮囲いされていた正門。色が白なのは分かりますね。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

また、創建当時から変更されたのは、門扉色だけではありません。現在の正門から本館までのアプローチも当時は、道の中央は砂利敷きの車道で、左右はセメントの歩道でした。昭和の大改修の時に中央の道幅を狭め、脇道を作り、中門を設置しました。

昭和の大改修で設置された中門▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

また、村野藤吾は内装についても「裂地類、敷物、家具の製作にも苦心した。残っていた家具の中には今日のヨーロッパではできない貴重なものもあった。(中略)迎賓館は竣工した直後から金のかかるものである。善良な管理を怠れば、美しいだけに荒廃が目立つ」と「迎賓館赤坂離宮改修記録」と書き記しています。

複数の大広間は美術館と見紛うほど、ありとあらゆる場所に美術品と工芸品が集結しています。昭和の大改修の際、創建から66年経過したことによる様々な困難を乗り越えて、総面積約660平方メートルにも及ぶ天井画の修復や、美術品類以外でも重量約1トンにも及ぶシャンデリアなど、他に類を見ない器具や家具の整備を進めました。

2009年(平成21年)には、迎賓館赤坂離宮の本館、正門、主庭噴水などが明治以降の建造物として初めて国宝に指定されました。

国宝なのは建物だけでなく、装飾の域を遥かに超えた美術工芸品の塊のようなものですから、建物も中身も全部ひっくるめた文化財としての国宝だと思います。

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

本館

内部の撮影は禁止なので、外観写真のみです。本館は、前庭からみる正面の様子と裏側にある主庭からの眺めがポイントです。

前庭から

すごくいい天気の日の見学でしたが、ちょうど正面が逆光で影になっています。しかし、その荘厳な佇まいを感じるには十分です。内部の見学は来賓のようにこの中央の正面玄関から入ることはできません。

写真の右側の横の入り口から内部へ入ります。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

アフタヌーンティー

前庭には、キッチンカーやお土産屋さんが出ていて、なんと!迎賓館の前庭でアフタヌーンティーを楽しむことができるのです。天気が良い日はとっても優雅な時間が過ごせますね。

アフタヌーンティーは、1セット2名分で税込5600円、1日限定20セットです。しかも事前に予約も可能なんです。必ずアフタヌーンティーをしたい!と言う方は予約をしたほうが確実ですね。

私が見学しに行った日も13時頃には終了していました。迎賓館赤坂離宮アフタヌーンティーの詳細はこちら

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

主庭から

建物の裏側に回ると、国法に指定された噴水が目に入ります。この噴水は創建当時からあるもので、昭和の大改修でも噴水の形状は維持して、外周の外堀を新設し、規模の大きな噴水となりました。中央にいるのは、伝説上の生き物グリフォンです。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

庭には葉牡丹が綺麗に植えられていて、人々の目を楽しませてくれます。この葉牡丹は年末仕様で、先日までマリーゴールドが植えられていたそうです。彩鮮やかなマリーゴールドもいいけれど、葉牡丹が見られてよかった。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

本館前には、創建時に正門側の本館へ向かう通路に植えられていた松が、昭和の大改修時に移植されました。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

葉牡丹が噴水周りを囲みます。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

もっと知りたい方は動画を参照ください。▼

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2日間の夜間公開

赤坂離宮では、12月24日(金)と25日(土)の2日間、夜間公開があります。通常は17時までの公開を20時まで延長し、日没後にはライトアップされた赤坂離宮を見学することができます。2022年GWの夜間公開は下記↓

この写真は以前の夜間公開に行った時のものです。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

闇に浮かぶライトアップされた赤坂離宮も昼とは違う流麗な姿を見せてくれます。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

期間限定の夜間公開は一度は見ておきたいですね。寒いけれどおすすめです。夜間公開は、前庭限定で噴水のある主庭の公開はありません。

また、2021.12/24-26の3日間は、前庭においてガーデンカフェが開催され、通常よりも多くのキッチンカーが出店します。温かい飲み物、軽食に加えてアルコールも提供されます。このイベント期間中は弦楽四重奏 non-beeや、上智大学音楽系クラブ・サークルによる生演奏もありますよ。天気がいいといいですね。

2022年5月の夜間公開(GW特別イベント)

2022年5月3日(火)~5日(木)

夜間公開とガーデンカフェがGW期間中に開催されます。

日没後(18:30目途)にライトアップされます。

10:00~20:00(最終受付:本館19:00、前庭19:30、主庭※17:30、和風別館16:00)
※主庭(噴水がある庭)は17:45以降入場できません。

事前予約なしで参加可能 

参観料 本館のみの場合一般:1,500円、大学生:1,000円、中高生:500円、小学生以下:無料

詳細情報はこちらから!

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見学の注意点

参観コースは4つ

参観コースは、(1)本館・庭園(主庭及び前庭) (2)和風別館・本館・庭園 (3)和風別館・庭園 (4)庭園のみ、の4つです。各々料金がかかります。支払いは電子マネーの利用が可能です。

和風別館は事前予約制です。予約なしでは和風別館を見学ですることはできません。また、和風別館はガイドツアーのみで自由見学はできません。料金、ガイドツアーの予約などの詳細はこちらを

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

セキュリティチェック

一般公開しているとは言え、国賓を招く場所です。見学の場合は西門からしか入れません。正門に行っても入れませんので要注意です。

西門にて金属探知機のゲートをくぐり、荷物はX線検査をされます。空港並みの検査があります。ですから、和風別館の予約をしている場合は特にですが、時間に余裕を持って訪問したほうがいいです。

西門の受付の様子▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

撮影禁止

赤坂離宮も和風別館も内部は一切撮影ができません。更に、内部のものに触れることも一切禁止です。歩くのも絨毯の敷いてあるところだけを歩くように言われます。国宝ですからね。

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これは正門のところにあった守衛所?のような建物。屋根の形とか、屋根にいる鳳凰とか、個性的でとっても可愛かったので撮影しました。

もらったパンフに言及されていないので、創建時からあるのか、昭和の大改修の時に設置されたのか、定かではありませんが、おそらく昭和の大改修時ではないでしょうか。▼

国宝の「迎賓館赤坂離宮」

堅牢な外観、美術館のような内部、一度豪華絢爛な国宝の建物を見学してみてはいかがでしょうか。私は楽しかったです。次回は谷口吉郎設計の和風別館游心亭の見学についてです。

基本情報

迎賓館赤坂離宮

東京都港区元赤坂2-1-1 MAP

東京メトロ・JR四谷駅徒歩7分

和風別館游心亭については下記を参照ください。▼

谷口吉郎設計 迎賓館 和風別館 游心亭と金沢建築館の游心亭

迎賓館のカフェ「カーブドッチ迎賓館」

前庭でアフターヌーンティーもいいのですが、やっぱり屋内でゆっくり食事がしたいという方に朗報です。

正門を出たところに観光案内の機能を備えた迎賓館赤坂離宮休憩所ができました。その中にカフェ&ショップ「カーブドッチ迎賓館」があります。おそらく景観に配慮したと見られ、施設はすべて地下にあります。

螺旋階段または、エスカレーターで地下へ降りるとぐるりと円形状のスペースにカフェやショップ、観光案内などがあります。▼

カーブドッチ迎賓館

新潟のワイナリーが運営するカフェではランチタイムにはパスタやカレーなどの食事メニューがいただけます。▼

カーブドッチ迎賓館

ここは休憩所でもあるので、カフェで何かをオーダーしなくても座って休むことができます。新しい施設なので、とても綺麗です。

施設は地下なので、残念ながら迎賓館を眺めながらの食事はできませんが、中庭の噴水を見ながらランチタイムができますよ。

カーブドッチ迎賓館

基本情報

カーブドッチ迎賓館

9:00〜17:00 [Lunch]11:00〜15:00  水休

東京都新宿区四谷1丁目12-11 MAP

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