都内建築巡り<早稲田3> 早稲田大学の建築 大隈記念講堂と大隈庭園

早稲田建築巡り3は早稲田といえば早稲田大学、早稲田大学の建築と言えば大隈記念講堂ということで、誰もが知る早稲田大学の象徴、大隈記念講堂と隣接する大隈重信邸宅跡地の大隈庭園、そして坪内博士記念演劇博物館、會津八一記念博物館などの建築を巡ります。


大隈記念講堂とは

大隈記念講堂は、早稲田大学創立者の大隈重信が亡くなってからその遺志を受け、引き継いだ建学の精神、理想を何とか建物として実現したいと考えて建設されました。

1927年に竣工し、1999年東京都選定歴史的建造物に選定され、その後2007年には重要文化財に指定されました。大学の創立125周年(2007年)記念事業を前に、2006年から再生工事が行われました。外観と大講堂の歴史的な意匠を保存しつつ、耐震補強や文化ホールとして多機能化が行われ、工事は創立125周年の年である2007年に完了しています。

早稲田大学大隈記念講堂

設計佐藤功一

建設にあたってその設計は、オープンな形のコンペが行われましたが、結局コンペ案が採用されることはなく、また、関東大震災による中断などを経て、結局コンペの審査員をしていた日比谷公会堂などを手がけた佐藤功一が担当することになりました。また、音響設計の佐藤武夫や構造設計の内藤多仲も参画しています。

早稲田大学大隈記念講堂


ちょっと斜め

行かれた方はおわかりかと思いますが、大隈記念講堂は、確かに早稲田大学の正門前に建っているのですが、真正面ではなく、少し斜めに建っています。

大隈記念講堂はわざと正門から少しずらして建てられました。そのことによって多面的、立体的に見え、自然にその場所にあるように感じさせる効果を狙っています。大隈記念講堂がもし正門の真正面にだったら、見る人に威圧感を与えてしまうからです。

訪問の際は、建築の見学だけでなくこの絶妙な立地にも注目してみましょう。

学内の大隈重信像の背後から大隈記念講堂を見てみましょう。確かに!正面の時計があっちとそっちを向いていますね。これで正門と真っ正面に向き合っていないこと、そして多面的、立体的に見えるように建てられたことがよくわかります。建物は建っている方向でも印象が変わります▼

早稲田大学大隈記念講堂

革新的な音響設計

大隈記念講堂はその建築だけでなく、建築音響の分野でも重要な位置を占め、黒川兼三郎、佐藤武夫らにより国内で初めて「科学的な音響設計」が導入され、 その後のホール建築に多大な影響を与えた建物でもあります。

創建時の文献 によると、留意すべき課題として、1)音圧分布の均一化  2)適度な残響時間の確保 3)静けさの確保の3つが挙げられました。

音響技術が未発達な時代であり、 尚且つ演劇による生声を客席に明瞭にかつ均一に伝えるため特に1)音圧分布の均一化が重視されました。

今回は外観だけの見学でしたが、機会があれば中にも入って、その音響の素晴らしさを体験してみたいです。

早稲田大学大隈記念講堂



大隈庭園

大隈記念講堂の隣にあるのが大隈庭園で、大隈重信の邸宅跡地だった場所です。広い芝生と池のある和洋折衷式の庭園で、遠景に築山と池を配しています。大隈重信没後の1921年(大正11年)に、早稲田大学に寄附されました。

広さは約3,000平方メートル、庭園入り口には早稲田大学オフィシャルグッズショップ&カフェUni.Shop&Cafe125があり北側にはリーガロイヤルホテル東京が隣接しています。

また、庭園には広大な芝生、小川、季節の植物、散歩道があり、提灯や小さな石塔、孔子像や大隈重信夫人大隈綾子像、早稲田大学第4代総長田中穂積像などの彫像が設置されています。

早稲田大学大隈庭園


大隈庭園の紅葉

12月初旬に訪問しましたが、大隈庭園の紅葉が見事でした。大学のキャンパスにこんな風情のある庭園があって、尚且つ四季折々の美しい変化を愛でることができるなんて、羨ましい限りです。

早稲田大学大隈庭園

早稲田の学生さんはきっと当たり前だと思っていると思いますが、これは本当に素晴らしいことです。

隣の芝生は青いと言いますが、季節的には芝生が青い時期ではなかったけれど、早稲田の芝生は本当に青かった。私には真っ青だった!いいなぁ〜。

この風景なんて、金沢や京都と見紛うような光景です。▼

早稲田大学大隈庭園

あー

リーガロイヤルホテル東京との境界の紅葉と池の様子です。リフレクションが美しい!▼

早稲田大学 大隈庭園


早稲田大学の建築

坪内博士記念演劇博物館

演劇博物館は坪内逍遙の発案で、エリザベス朝時代、16世紀イギリスの劇場「フォーチュン座」を模して今井兼次らにより設計されました。1928年開館し現在も日本国内はもとより、世界各地の演劇・映像の貴重な資料を揃えた“演劇の歴史”の詰まった博物館です。▼

坪内博士記念演劇博物館

銀杏並木越しの演劇博物館▼

坪内博士記念演劇博物館

會津八一記念博物館

早稲田大学で東洋美術史を講ずる美術史家であった會津八一コレクションをはじめとした貴重な文化遺産を所蔵する博物館で、今井兼次設計の旧図書館(二号館)を再生して1998年に開館しました。

中が撮影禁止だったので、内部の様子がアップできないのが残念なのですが、間口の感じからは想像できない天井の高い大空間があって驚きました。

常設展、企画展を開催しており、誰でも無料で鑑賞できます。▼

會津八一記念博物館

早稲田大学6号館は1935年竣工の校舎です。アーチ越しの黄色くなった銀杏が夕陽に照らされて美しかったので写真を撮ってみました。▼

早稲田大学6号館


基本情報

大隈記念講堂   

大隈庭園  開園:月~土の授業実施日(天候不順日は閉園)9:00-17:00(4-9月)9:00-16:30(10-3月) 

坪内博士記念演劇博物館 本館カウンター・展示室 : 10:00~17:00(火金〜19:00)、別館カウンター10:00~17:00/土日祝休

會津八一記念博物館  10:00~17:00 水・祝休 開館カレンダー参照

東京都新宿区戸塚町1−104 MAP

最寄駅:東京メトロ東西線早稲田駅・都電荒川線早稲田駅徒歩5分

村上春樹ライブラリーについてはこちらを参照ください。

隈研吾設計 早稲田大学国際文学館村上春樹ライブラリーに行ってきた!

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