「コネクションズ―さまざまな交差展」を開館したばかりの小田原三の丸ホールで観賞

昨年開館したばかりの小田原三の丸ホールにて開催されているグループ展「コネクションズーさまざまな交差展」を観に行ってきました。


小田原三の丸ホール

小田原城のお堀沿いのお堀端通りに位置する小田原市民ホール、通称小田原三の丸ホールは、2021年9月に開館したばかりの公共施設です。設計はプロポーザルによって選出された環境デザイン研究所こと仙田満です。

日本の民家の屋根の形式の一つである”兜造り”をイメージしたというその外観は、確かに巨大な兜のようで、それゆえに私にはダースベーダーに見えちゃって、見えちゃって仕方がありませんでした。近くだとわかりづらいのですが、遠目だとかなりのベーダー卿ぶり。

そもそもダースベーダーも日本の兜インスパイアですから、元を正せば同じ兜なので、似てしまうのは当然なのですが、遠くからその姿を目にした瞬間から、脳内であの音楽がリフレインしっぱなしでした。


コネクションズ

このグループ展は、小田原市民ホール開館記念事業の一環で開催されている展覧会で、小田原にアトリエを構える彫刻家の三沢厚彦を中心に、写真の浅田政志、映像の志村信裕、インスタレーションの八木良太、4人のアーティストによる4種4様の作品展示です。

キュレーターは、神奈川芸術文化財団の中野仁詞で、KAAT神奈川芸術劇場で開催された展覧会などを企画しています。

過去にKAATで観賞したさわひらき「潜像の語り手」、小金沢健人「Naked Theatre -裸の劇場」、冨安由真「漂白する幻影」、志村信裕「游動」展等のキュレーションをされた方でした。

展覧会の様子は動画を参照ください。▼

三沢厚彦

会場内の交差展の中央に鎮座するのは、小田原ご当地アーティスト三沢厚彦のキメラです。この作品は、昨年ムサビで開催された「オムニスカルプチャーズー彫刻となる場所」に出品されていた作品です。

ムサビでも会場の中央にドーン!と鎮座していましたが、ムサビの会場はとても広くて、天井高もある空間だったので、もっと高い台座に乗っていました。今回は見上げなくても観賞できる人目線に展示されています。しかし、存在感半端ないです。

オムニスカルプチャーズではもっと荒削りで彩色してない鳥が複数いましたが、今回鳥は1羽のみでした。

ムサビのオムニスカルプチャーズで撮影した高い台座の隙間に隠れキャラのようにいた鳥、この鳥が今回出品されている鳥だと思われます。まだ色がついていません。▼

三沢作品は、グループ展でもとにかく目立ちます。探さなくても一眼でわかる存在感です。

三の丸ホールでも、富山県美のように館のどこかに設置したら、たちまち人気になりそうですが、どうなんでしょうか。


志村信裕

新作と2012年の作品が出品されています。旧作は、展示会場の意外な場所に設置されています。

この作品、東京都庭園美術館でのグループ展「生命の庭ー8人の現代作家が見つけた小宇宙」で、窓ガラスに投影されていた作品だと思うのですが、庭園美術館では明るい場所だったので、スルーしてる人多数でした。今回の展示場所の照度はとっても見やすいです。

また、庭園美術館では方針なのか何なのか監視の方は、スルーしてる人に声をかけることはしていなかったのですが、三の丸ホールは違います。ちゃんと監視の方が、スルーしそうな人には声掛けしていたので、みなさんしっかり観賞していました。

というわけで、見逃しはなさそうなので、どこに展示されているのかはあえて書きません。▼

新作の「Odawara kamaboko」は、ただただ蒲鉾の製造工場の映像が流れます。音も解説文も何もありません。文字で説明すると本当にただそれだけなのです。しかし、ただそれだけだから途方もなく美しい。

視覚に絞り五感に余白を残しているが故にその美しい映像からは、無機質な機械のモーター音や流れる水の冷たさ、魚の匂い、練り物の弾力が伝わってきます。そして無性に蒲鉾を食べたくなってしまったのは言うまでもありません。

蒲鉾の製造過程をこんなに美しく撮れるアーティストってなかなかいませんね。記録映像ではなくて”作品”に昇華されているんです。溜息。

これ小田原の蒲鉾工場ですよ!▼


八木良太、浅田政志

この二人のアーティストの作品は、展示会場だけでなく三の丸ホール内の1階と2階のギャラリー回廊にも展示されています。

このことは、配布されているリーフレットに書かれていますが、残念ながら多くの人はあんまりそういうの読みません。

でも、三の丸ホールでは出入口で、別の場所に作品展示が続いてることを教えてくれます。

2階のギャラリー回廊の浅田政志の展示の様子▼

1階のギャラリー回廊の八木良太の作品は音です。私が訪問した時は、係の人がわざわざ回廊のどの辺が聞き取りやすいか、教えてくれました。

一見何も展示されてない回廊ですが、耳をすませてください。▼


Connections I

参加アーティスト3人による”交差展”を具現化した共作のインスタレーションです。個人的な印象では親和性が高いとは思えない3人のアーティストの作品ですが不思議と融和していました。

説明は不要かとは思いますが、まだ未完成?の中央の熊が三沢作品、天井からぶら下がっているのが八木作品。この八木作品は、真鍮のセミ抜け殻とイヤホンからセミの鳴き声が聞こえてきます。

背景になっている志村作品は、KAATの個展「游動」ではカーテンに投影されていた木漏れ日の作品です。見せ方が全然違うので一瞬同じ作品とはわかりませんでした。▼

志村信裕「游動」の詳細はこちら▼

KAAT EXHIBITION 志村信裕展「游動」神奈川芸術劇場

会場で確認したところ写真も動画も撮影可能ということでした。

今後も小田原三の丸ホールで現代美術の展覧会が開催されることを期待します。

基本情報

THE CONNECTIONS /コネクションズ―さまざまな交差展

2022年1月12日(水)~2月2日(水)

10:00 ~ 18:00 入場料一般300円 高校生以下無料 会期中無休 ※1/17休

小田原三の丸ホール

神奈川県小田原市本町1丁目7−50 MAP

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