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意図していなかった美しい現象「建築の神様からの贈り物」特集

記事の評価

「建築の神様からの贈り物」ですが、建築家が意図していたわけではないけれど、完成してみたら季節や天候など環境の変化によって時折現れる美しい現象のことです。

どの建物にもきっとそんな現象がそここで起こっているんでしょうけれど、今回はよく行く東京都庭園美術館、東京都現代美術館、そして2回ほど訪問した紀尾井清堂の美しい現象の特集です。

残念ながらギリシャ神話や家の神様、土地の神様など神社の話ではありません。

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紀尾井清堂の虹

実は、タイトルにしている「建築の神様からの贈り物」という言葉は、2021年12月に参加した紀尾井清堂の建築見学会で、設計した内藤廣建築設計事務所の方が言われた言葉をそのまま拝借しています。

紀尾井清堂の虹

紀尾井清堂の1階には、季節と天気と時間によって、美しい虹が現れます。

▲上と下の写真は2022年3月の「奇跡の一本松の根展」のもの▼

紀尾井清堂の虹

建築見学会の時に虹の写真を夢中で撮っていたら、見学会解説の冒頭に、「建築には時折意図してはいなかった美しい現象が現れます。紀尾井清堂では綺麗な虹を見ることができます。私たちはこのような現象を「建築の神様からの贈り物」と呼んでいます」という話がありました。

なるほど!とひどく納得すると同時に「建築の神様からの贈り物」ってなんて美しい表現なの!とその壮大な紀尾井清堂の空間とともにとても感銘を受けました。

建築見学会の時の虹よりも長く強くはっきりとした虹が見られました。▼

紀尾井清堂 一本松の根

よーく見ると一本松の根の上にも横に長い虹が降り注いでいます。▼

紀尾井清堂 一本松の根

紀尾井清堂は、コンクリートの建物がすっぽりとガラスで覆われています。ですから、プリズムによってこのような綺麗な虹が見られます。

こちらは2021年12月の見学会で見られた青系のみの虹です。▼

紀尾井清堂の虹

紀尾井清堂でこのような美しい虹が見られるかどうかは、その日の天候と時間などに左右されるので、運次第です。

私が訪問した12月と3月はいずれも13時頃で、2回とも見ることができました。しかし、帰る頃には消えていたので14時以降は見えなくなるようです。(季節による)

紀尾井清堂上階の吹き抜けにもちょっこり現れていた虹。

ほとんどの見学者が気にもとめていませんでしたが、もしこれから見学されるなら探してみてください。▼

紀尾井清堂の虹

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基本情報

一般社団法人 倫理研究所 紀尾井清堂

千代田区紀尾井町3 MAP

最寄駅:東京メトロ赤坂見附駅D出口徒歩6分、永田町駅徒歩8分、麹町駅徒歩4分

紀尾井清堂の詳細については下記記事を参照ください。現在は奇跡の一本松の根展を開催中です。

復興の象徴 陸前高田の「奇跡の一本松の根」展 鑑賞に 内藤廣設計 目的も機能もない紀尾井清堂を再訪

内藤廣設計 目的も機能もない用途未定の建築 “現代のパンテオン 紀尾井清堂の建築見学会へ


東京都現代美術館の揺らぐ水玉

柳澤孝彦(TAK)設計の現代美術に特化した都立の美術館です。

水玉模様の影は、晴天の日に訪問すればだいたい出会えます。▼

東京都現代美術館の揺らぐ水玉

ここで見られる建築の神様の贈り物は、太陽光だけでなく水と光による美しい現象です。

下の写真をよく見てください。床に落ちる水玉の影だけでなく、天井に注目です。▼

東京都現代美術館の揺らぐ水玉

水に反射した水玉模様が揺らぐ様子がとっても美しくて見飽きることがありません。そして、そのゆらゆらとした揺らぎはとっても癒されます。

是非その水玉が揺らぐ様子を動画で参照ください。▼

これは、水玉越しに地下にある水盤の水面の揺らぎが反射しているからなのです。

柳澤孝彦の設計する文化施設建築には、上田市のサントミューゼや初台のオペラシティなど必ず大掛かりな親水施設が作られています。

ですから、もしかしたら東京都現代美術館の後に設計したオペラシティやサントミューゼでも、予期せぬ「建築の神様の贈り物」を期待していたかもしれませんね。

地下の水盤へは、100本のスプーンの入り口付近から出られます。▼

東京都現代美術館の揺らぐ水玉

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基本情報

東京都現代美術館

東京都江東区三好4丁目1−1 MAP

アクセス:東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」B2出口徒歩9分、都営地下鉄大江戸線「清澄白河駅」A3出口徒歩13分、東京メトロ東西線「木場駅」3番出口徒歩15分、または都営バス業10「東京都現代美術館前」下車1分、都営地下鉄新宿線「菊川駅」A4出口徒歩15分、または都営バス業10「東京都現代美術館前」下車1分

柳澤孝彦設計 上田の複合文化施設 サントミューゼ に行ってみた

現在開催中の展覧会▼

ル・コルビジェに師事した吉阪隆正展「ヒゲから地球へ、パノラみる」を東京都現代美術館で鑑賞

東京都庭園美術館のハートの影

東京都庭園美術館は、アンリ・ラパンが設計に加わった日本屈指のアール・デコ建築です。旧朝香宮邸だった建物に、杉本博司設計監修で新館が増築されました。

その増築された新館に向かう通路に現れるのが、このなんとも可愛らしいハートの影です。▼

東京都庭園美術館のハート

これもまた、杉本さんは全く意図していなかった現象で、初めて見た時とても喜んだとか。やっぱりどんなにすごい方でも「建築の神様からの贈り物」は嬉しいのですね。

私も初めて見た時はとても感動しました。

このかわいいハートの影を出現させるのは、杉本建築ではお馴染みの西麻布にある三保谷硝子店のドット模様のガラスです。▼

東京都庭園美術館のハート

ハートの影はだんだんと範囲が狭くなっていきますので、おすすめは冬の晴天の早めの時間です。

季節や時間によってはハート型が歪な場合もあります。▼

東京都庭園美術館のハート

こちらは7月中旬の午前中の様子。全然ハートがありません。夏はあまり影が中まで出ないので、寒い時期の方が綺麗に見えるようです。▼

曇天で影が出ていない時はガラスの美しさが際立ちます。

曇天なら曇天なりの美しさがある建築です。▼

東京都庭園美術館のハート

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基本情報

東京都庭園美術館

10:00-18:00   月休 庭園のみの利用も要入場料

港区白金台5丁目21−9 MAP

最寄駅:JR目黒駅徒歩6分、東京メトロ白金台駅徒歩7分

アール・デコ満載 アンリ・ラパン デザイン旧朝香宮邸 東京都庭園美術館

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内藤廣設計の機能のない建築「紀尾井清堂の虹」、柳澤孝彦設計の「東京都現代美術館の揺らぐ水玉模様」、そして、現代美術家杉本博司設計監修の「東京都庭園美術館のハートに落ちる影」と3つの「建築の神様の贈り物」を特集しました。

今回取り上げたのはいずれも、太陽の光が必須の現象でしたが、きっと曇りの日だけ現れる素敵な現象とか、雨の日に見られる幻想的な風景とか、どの建築にも四季折々、その時々の美しい贈り物があるに違いありません。今後新発見があったら追記していきます。

「建築の神様からの贈り物」視点での建築巡りも楽しいです。

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