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16年ぶりの大回顧展「大竹伸朗展」東京国立近代美術館を観にいく前に知っておきたい情報まとめました


記事の評価

いよいよ東京国立近代美術館で大竹伸朗展が始まりました。NHKで特集したり、早々に宇和島駅のネオンが美術館にお目見えしたりしていたので、ようやく始まった!という感じです。

2019年に水戸芸術館でビル景に特化した展覧会「ビル景 1978-2019」はあったものの、回顧展は2006年の東京都現代美術館「全景展」以来16年ぶりです。

もちろん、水戸芸の「ビル景 1978-2019」も都現美の「全景展」も、さらに全景展のすぐ後に福岡市美術館で開催した「路上のニュー宇宙」展も観ています。また、今回の大竹伸朗展の特別協力をされている東麻布のギャラリーTAKE NINAGWAで、全景展以降何度か開催された個展にも全て足を運びました。

ということで待望の大竹伸朗展に早速行って参りました。

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

本当に旧駅舎にあった宇和島駅のサインは駅舎改修の際に大竹さんが譲り受けたもの

最初に出迎えてくれるのは宇和島駅の4文字。▲ 

東京都現代美術館でも同様でした。

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

夕方の宇和島駅▲ ネオンは大竹さんがいれ直したもの

この4文字は、大竹さんが在住している宇和島駅の駅舎改修の際に駅長さんの取り計らいで譲り受けてからずっと手元で保管していたもの▲

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

夜の宇和島駅▲ 最初に登場したのは新潟県新津市美術館「新津 あいまいで私が日本」の際

新潟県新津市の展覧会で美術館にこのサインをつけたら通りがかりの老人が美術館の人に「いつ鉄道が通るのか?」と問い合わせたという逸話があります。

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大竹伸朗

思い入れが強すぎて文章が暴走しないように注意しながら書き進めたいと思います。私が大竹さんを知ったのは90年代で、その時からすでに大竹さんはスーパースターでした。初めてご本人に会えたのもこの頃で、銀座のギャラリーの個展会場でした。

そして、何より一番印象に残っているのは東京都現代美術館の全館を使い、展示作品総数2000点という前代未聞の大規模個展「全景」展です。

現在は、直島の「はいしゃ」にある「女神の自由」も、今回の展覧会でも登場している宇和島駅のネオンサインもダブ平&ニューシャネルも、とにかく巨大なものから小さなものまで、2006年時点の大竹伸朗の全てに近い作品が清澄白河に大集合していました。そう、全部だったのでそのまんま「全景」展です。

というわけで16年前の全景展を観た人は再会となる懐かしい作品も多く含まれています。

全景展を観てない人は、2022年の大竹伸朗の集大成が観られる絶好の機会です。見逃す手はありません。

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

展覧会会場の入口

展覧会構成

展覧会は、つい先日までドイツの巨匠ゲルハルト・リヒター展を開催していた竹橋の東京国立近代美術館です。ただし、リヒター展の時と大きく違うのは会場は1階だけではないということです。

2階にも展示は続きますのでくれぐれも時間配分にご注意を。私はすでに2回鑑賞していますが、最初の訪問時は当たり前ですが、2階にも展示室があることを知らなくて、閉館時間が刻々と近づく中、2階の展示室で16年ぶりのダブ平&ニューシャネルとの熱い再会を果たしたのです。

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

大型作品が集まる中央の展示スペース

7つのテーマ

全景展では純然たる時系列での展示でしたが、今回は時系列ではなく7つのテーマによる構成です。

その7つのテーマは、自/他、記憶、時間、移行、夢/網膜、層、音です。

それら各テーマの展示作品空間は分かれてはいるものの、きっちり区別されているわけではなくなんとなく緩やかにつながっています。

テーマなどにとらわれずに自由に好きな順番で好きなように観てほしいと本人もおっしゃっていました。

今回の展覧会空間には、想像に反してとても優しく沈静な空気が流れていました。

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

中央の作品は動く

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

この作品も電源とってるので動くか音が鳴るはず

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作品リストはアプリ

今回の展覧会はキャプションはありません。それだけでなく紙による作品リストの配布もありません。アプリで作品データと解説閲覧する方式です。

音楽もアプリで聴くことができます。

ですから、アプリを事前にインストールしていくことをお勧めします。

iOS (App Store)
Android (Google play)

またブラウザで読むこともできます。事前にパソコンで作品リストを読んでおいたり、アプリをインストールするのが嫌ならスマホのブラウザで読むことができます。ブラウザ版作品リストはこちらです。

全ての作品には大竹さん特有のニューシャネル的なフォントで書かれた番号がついています。

その作品番号を元にアプリの作品リストから作品データを知ることができます。作品番号と展示の順番はリンクしていません。あくまでも作品番号は作品についている印です。また、展示室内には7つのテーマについての解説パネルは掲示されています。

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

記録映像など

1階の展示室内には記録映像などはありません。ただし、「モンシェリー:スクラップ小屋としての自画像」作品には、よくみると小さなモニターが取り付けられていて映像が流れていました。素通りせずに見つけてみてください。

また、2階の展示室前にはNHKで放送された番組「21世紀のBUG男 画家・大竹伸朗」が流れています。モニター前には椅子も用意されており座って鑑賞できるようになっていました。私はすでに鑑賞済みでしたので美術館では観ていませんが。

また、アントニー・ゴームリーの彫刻の右側の通路にモニターが並んでいてそれぞれ記録映像が流れています。トイレに向かう通路に並んでいますのでこちらも見逃し注意です。

2階の展示室内では、1981年の法政大学ライブステージ映像や1980年のロンドンでのステージ風景などのライブ映像を観ることができます。

映像作品はNHKの番組だけで90分あるので全部観ようとするとかなり時間がかかると思います。

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

NHKのドキュメンタリー番組で制作していた最新作(右奥)

鑑賞時間の目安

16年前の全景展2000点を鑑賞した経験のある方なら、今回の展覧会はあの時のような抜け殻になるほどの疲労感はありません。

でも、もしもあなたが大竹伸朗展を始めて鑑賞するのなら、時間に余裕を持って訪問しなければ後悔します。あるいは何度か訪問することになるかもしれません。

私は全景展などこれまでに何度も大竹展を観ていますが、この展覧会はあと1回即ち3回は観にいくつもりでいます。

疲労感について言えば、今回の大竹伸朗展はグイグイ来る感じではなく、柔らかな布に包まれるようなジワジワと滲み入ってくるような展覧会なので500点と言っても疲労困憊にはなりませんでした。

でも、それはもしかしたら全景展を何度も鑑賞したことによる耐性ができているせいかもしれません。

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

2階の展示室「音」の展示風景

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撮影について

嬉しいことに写真撮影は可能です。ただし動画撮影はできません。

これは不確定情報ですが、今後会期中に大竹さんがふらりと美術館に登場するかもしれません。

もしも会場で出会えたらそれはラッキーですよね。

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

会場にてダブ平&ニューシャネルのコントロールベースで操作する大竹さん

ミュージアムショップ

東京国立近代美術館のエントランスロビーに特設ショップが設置されていてさまざまなミュージアムグッズが販売されています。

これがまた超絶大竹さんらしくてどれもこれも欲しくなってしまいます。

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

ニューシャネル缶入りキャンディ

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

ニューシャネルのトートバック

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

ノートやクリアファイル

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

マステ色々

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

ステッカー

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

バックや前掛けなど

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

Tシャツやトレーナー

 

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

全景展図録 当時はなかったエコバックとヤレ付き、箱のデザインも変わった

可愛いものあり、かっこいいものあり、クスッとしちゃうものありです。

大竹伸朗展展覧会図録はまだ完成しておらず予約受付中でした。新聞のような、これまた一風変わった図録です。

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

展覧会図録の見本

大竹伸朗展 東京国立近代美術館

展覧会図録の台割り

というわけで買い物時間も計算に入れないといけないので半日かかると思った方が良いですね。

大竹伸朗展東京都国立近代美術館

ミュージアムショップ「Shinro Ohtake shop」

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伝説の大回顧展全景展とは

冒頭にも少し書きましたが、大竹伸朗「全景」展は2006年に東京都現代美術館の企画展示室全部を使って開催された大型個展です。出品点数は今回の4倍の2000点です。単純に1日100枚展示しても20日かかる計算です。この展覧会がどれだけ規格外かわかりますよね。

今回の展覧会は500点なのでそのペースで展示すれば5日間で終わってしまう計算です。(実際は、そんな簡単なはずはありませんが)

とにかく全景展は何をとっても規格外でした。そもそも現在は3つの展覧会が開催されている東京都現代美術館の企画展示室を1人の作家の個展で成立させるってなかなかできるものではありません。それも平面作品に至っては壁に3段掛け、4段掛けでしたから。

何度も書きますが、普通の作家では、全作品を展示しても3フロアの企画展示室の空間全部を埋めることはできないと思います。大竹さんの場合は、セレクトして2000点だったんですから、もう尋常ではありません。

その圧倒的なボリュームの凄さは頭にパンチを喰らうというレベルではなく、とんでもなく暴力的でやるかやられるかの格闘技のような展覧会でした。

前述した宇和島駅のネオン、新潟のパチンコ屋から譲り受けたちょっとずんぐりむっくりとした女神の自由、巨大な緞帳、圧倒的なスクラップブックの数々、網膜、繊細なドローイングや版画、子供の頃の絵画、たくさんの自画像、家族を描いた作品などなど、サイズも超大型から小品まで伝説の大回顧展にふさわしい内容でした。

鑑賞後は誰もが性根尽き果て、明日のジョーじゃないけれど「真っ白に燃え尽きた」状態で清澄白河の現代美術館を後にしたのです。

さらに、それだけで驚いてはいけません。規格外で暴力的だったのは展覧会だけではないのです。

「大竹伸朗展」東京国立近代美術館

全景展の図録と16年前にサインしてもらったパズルパンクスのCD。裏には山塚アイのサインも

展覧会図録もとんでもないものでした。もちろん持っていますが、その暴力的なサイズと重さも伝説です。なんせ1冊6キロあるんですから!

手元に届いたのは展覧会終了後1年経ってからでしたが、遅延のお知らせのハガキが届くたびにその行為も作品の一部なのではないかと思うほどワクワクしたものです。

あの、いい意味でとんでもない暴力的な展覧会は大竹伸朗でなければ絶対にできない展覧会でした。

今回、善光寺のご開帳ではないけれど数年ぶりに全景展の図録を開いてみました。

そのとんでもない重量を感じながら、図録を手に取るとその表紙に大きく書かれた「全景」の文字が私の心に突き刺さってきました。

それは、大竹さんが「宇和島駅」の文字に感じた気持ちのようなものなのかもしれません。

 

基本情報

大竹伸朗展

2022年11月1日(火)~2023年2月5日(日)

月曜日(1/2日、1/9日開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月10日(火)休

10:00-17:00(金土は-20:00)

入場料:一般 1,500円、大学生1,000円 予約優先

東京国立近代美術館

千代田区北の丸公園3−1 MAP

アクセス:東京メトロ東西線竹橋駅 1b出口徒歩3分

東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅4番出口徒歩15分

半蔵門線・都営新宿線・三田線神保町駅A1出口より各徒歩15分

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