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伝説の写真家 深瀬昌久の「1961-1991 レトロスペクティブ 」東京都写真美術館。浅野忠信主演で伝記映画も製作中!


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恵比寿の東京都写真美術館で企画展「深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ」が始まりましたので、早速鑑賞してきました。

2012年に亡くなってから10年以上、しかし今も再評価が進み残された作品に対する関心は高まるばかり。

さらには浅野忠信主演、マーク・ギル監督による伝記映画が製作中というタイミングでの回顧展ですから、観るなら今しかない! そんな展覧会です。

▲会期は2023年3月3日から6月3日までの3ヶ月間。料金も700円と比較的安価ですので、春休みや映画の公開前に深瀬昌久の写真をしっかり見ておくチャンスです。

さらに、4月15日(土)から5月21日(日)には写美からも近い同じ恵比寿エリアのギャラリーMEM(エムイーエム)でも「深瀬昌久展 | 眼差しと遊戯」が開催されています。そちらは入場無料、しかも撮影可能です。

写真を見ればその人となりもしっかり分かる。そこがまた写真家としての評価に繋がっている深瀬昌久の展覧会が2つも開催されているのですから、都合をつけて恵比寿へ行くしかないですね。

深瀬昌久

深瀬昌久は1934年に北海道の美深町(びふかちょう)の写真館で跡継ぎとして生まれています。しかし跡を継いで写真師となるか写真家となるかの選択で後者を選び、東京に出て日大芸術学部に入学します。

そして1960年代から写真家としての活動を始め、荒木経惟や細江英公、森山大道らと同列に語られるほどの活躍をしていたいわば伝説の写真家です。

当時の妻である洋子を被写体にした「洋子」シリーズ、美深の一家を撮った「家族」シリーズ、代表作でもある「烏(鴉)(Ravens)」、裸の自画像「ブクブク」などで高い評価を得るものの、1992年に不慮の事故でカメラを使えなくなり写真家としての活動を終えています。

森山大道や荒木経惟などは今も活動を続け常に若いファンも獲得し続けているのに対し、熟成するはずだった20年の空白などもあり半ば忘れられつつあった深瀬昌久ですが、その表現やテーマの現代性が逆にカルト的な人気を得続けているようです。

▲2022年にマーク・ギル監督、浅野忠信と瀧内公美が主演の映画「Ravens」は2022年春にクランクインするという情報があり、iMDBによると今も制作中のようです。もしかしたら今回の展覧会も映画の公開予定に合わせて企画されたものかもしれません。

映画の公開は未定のようですが、深瀬昌久の主要な作品を全部見られる「1961-1991 レトロスペクティブ」展は良い機会です。伝説の(もしかしたら不運の)写真家、深瀬昌久の回顧展を見ておきましょう。

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写美でのレトロスペクティブ展

この展覧会は写真撮影禁止です。もちろん動画も撮影禁止です。

▲唯一撮影できるのは2F展示室エレベーターホールのポスターだけ。

「洋子」シリーズの一連の作品で、勤務先の画廊へ出勤する洋子をアパート(草加松原団地)の窓から撮ったものです。

展覧会の構成は 「遊戯」、「洋子」、「家族」、「烏(鴉)」、「サスケ」、「歩く眼」、「私景」、「ブクブク」という8セクションに分かれていて、それぞれで代表作をどこかで目にしたこともある有名な作品が展示されています。なにせレトロスペクティブですからね。

またアラーキーに「日本のウジェーヌ・アジェだ」と評されたり、森山大道が撮ってもおかしくない写真を撮ったり、藤原新也に通じるような死生観を感じたりと、この人たちはお互い切磋琢磨し影響を受けたり与えたりしていたのだなぁと感じるところも見どころの一つです

なお、最後の「ブクブク」は湯船に使って自撮り(セルフィー)した一連の作品ですが、一部に本人の性器が写っているものがあります。

Ravens

深瀬昌久の代表作「烏(鴉)」からタイトルを取った映画「Ravens」が製作中です。監督はスミスのモリッシーを題材にした「イングランド・イズ・マイン モリッシー,はじまりの物語」を監督したイギリスのマーク・ギル。深瀬昌久役は浅野忠信、妻洋子を瀧内公美が演じています。

クランクアップの情報も公開予定の情報もないのですが、問題なく進めば2023年中には公開されるのではないでしょうか。

映画好き、写真好きには見逃せない映画になりそうで楽しみです。

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写真撮影について

前述のとおり、写真撮影は禁止です。

エレベーターホールのポスターのみが写真撮影可能です。

深瀬昌久の作品集

世界的に評価の高い深瀬昌久なので海外でも写真集が出版されています。ただ今回の展覧会の図録も作品集の決定版となりそうです。

Amazonで購入可能な作品をいくつか紹介します。

東京都写真美術館からも予告動画が公開されています。どんな写真なのかちょっとご覧ください。

YouTube player

60年代からずっとプライベートな写真を撮り続け、でもプライベートだからこそ普遍的な射程の長いテーマとなっているのが深瀬昌久の写真作品の魅力です。そんな深瀬昌久の大回顧展とも言える「1961-1991 レトロスペクティブ」展、2023年春のおすすめの展覧会です。

基本情報

深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ

2023年3月3日(金) ~ 2023年6月4日(日) – 月曜休館(5月1日は開館)

10:00~18:00(木金〜20:00)

料金 : 一般 700円、学生 500円、中高生・65歳以上 350円  日時指定予約推奨

東京都写真美術館 2F展示室

目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内 MAP

アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩約7分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分

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MEMでの眼差しと遊戯展

MEMでは「鴉」、「洋子」それと「サスケ」という深瀬昌久の代表的なシリーズ3つから厳選された作品が展示されています。

▲さらに写真雑誌などの資料も展示。

写真美術館でのレトロスペクティブ展と異なるのは写真が撮影できること。

▲「サスケ」シリーズ。

▲これは「洋子」シリーズ。

写美での展覧会と一部作品が重複しますが、どちらが良いとも言えない濃密な写真群です

MEM基本情報

深瀬昌久展 眼差しと遊戯

2023年4月15日(土) ~ 5月21日(日) – 月曜休館(5月3〜7日は休廊)

13:00~19:00

料金 : 無料、予約不要

NADiff A/P/A/R/T 3F

渋谷区恵比寿1–18–4 MAP

アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩約6分、東京メトロ日比谷線広尾駅より徒歩約12分

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