代官山にあるカフェとギャラリーが一緒になったオルタナティブスペースLurf MUSEUM/ルーフミュージアムと中目黒の元森美術館館長で十和田市現代美術館総合ディレクター、弘前れんが倉庫美術館特別館長補佐など歴任してきた南條史生氏の事務所が運営するアートスペースN&A ART SITEで川内理香子の個展が同時開催されています。
川内理香子と言えば、迫力の油彩とネオン管の作品が印象的な若手の女性アーティストです。
このブログでも取り上げた寺田倉庫が開始した若手アーティストの支援を目的としたアワードTERRADA ART AWARD 2021 ファイナリスト展は記憶に新しいところです。
2ヶ所のスペースは代官山と中目黒で坂の上と下で行き来は徒歩圏内です。両方のスペースを合わせて鑑賞したい展覧会です。
ルーフミュージアム
代官山の会場ルーフミュージアムでは、１階のカフェスペースの壁面と２階のホワイトキューブの広いギャラリースペースの２会場で大型のドローイングとキャンバス作品を合せた約30点とネオン作品3点が展示されています。
1階カフェスペース
カフェスペースなのですが、作品鑑賞のみを目的に入っていっても構いません。
カフェスペースはいつも多くの人で賑わっているので、ゆっくり作品を鑑賞するのであれば、コーヒーをいただきながら座って眺めるのもありです。
▲ヴィンテージ家具と川内理香子作品
▲窓際のこの作品とても良かったです。
▲カフェスペースの全体の雰囲気はこんな感じです。週末はもっと混んでいます。
▲1階では、グッズや図録を販売しています。
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2階ギャラリー
しっかり作品を鑑賞するのなら2階のスペースです。
▲階下のカフェスペースの作品と比較するとかなり大型の作品が展示されています。
作品のサイズが大きくなるとアーティストのストロークも大きくなり画面全体が揺れ動いているかのような迫力です。
そして、会場全体に漂う油絵の具の匂い、美しい色彩と荒々しいタッチ、そして描かれているモチーフは人体や動物とその両方が混ざったような川内理香子の作品世界に生きる命です。
▲どの作品にも共通するモチーフは、不穏な空気を纏った生き物たちです。
あるものは諦めているような、あるものは絶望しているような、あるものはその鳴き声が聞こえてきそうです。
鑑賞者が絵画を見ているのに、まるで絵画の中から見られているような錯覚に陥ります。
▲川内理香子の作品をじっくり鑑賞していると、その凄まじい熱量に圧倒されてしまいます。それは、きっと頭で考えて描いているのではなく、生理で描いているからだろうなと思うのです。
▲ネオンの作品は2会場の中でここだけです。
3点のネオンは人が悶絶しているのか、それともダンスをしているのか、人体の動きを感じる緩やかな曲線を描いています。
大迫力のドローイングと油彩、特に2階は美術館で作品を鑑賞したような満足感がありました。
基本情報
| 川内理香子 個展 /Rikako Kawauchi solo exhibition「human closely」
2023年3月26日(日) – 4月24日(月) 不定休 11：00 -19：00 Lurf MUSEUM / ルーフミュージアム 1F・2F 渋谷区猿楽町２８−１３ Roob-1-1F 2F MAP |
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N&A ART SITE
中目黒の駅から桜見物で大混雑の目黒川を渡ってすぐのところにあるのがN&A ART SITEです。
このスペースを運営する南條史生による企画展シリーズ「NANJO SELECTION」の第1弾が川内理香子展です。
新しいシリーズ「NANJO SELECTION」では１年に４人程度の作家の展覧会を開催する予定ということなので楽しみです。
▲ルーフミュージアムの1階と2階の作品のちょうど中間くらいのサイズの作品が展示されています。
▲こちらも動物や人が荒々しいタッチの画面の絵の具を削り取るようにして描かれています。
▲2会場でかなり数の川内作品を鑑賞することができて満足度が高いです。
この２つの展覧会の協力は、恵比寿で開廊し、現在は江戸川橋にある現代美術のプライマリギャラリーWAITING ROOMの協力のもと開催されています。
WAITING ROOMは大学在学中の2015年の初個展開催以来川内理香子を取り扱っています。
今後、WAITING ROOMでの川内理香子の展覧会も鑑賞したいなと思います。
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基本情報
| 川内理香子 “line & colors”
2023年3月25日(土)―4月27日(木) 12:00-17:00 日月休 N&A Art SITE 東京都目黒区上目黒1-11-6 MAP |
