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日本の美術館では10年ぶりの個展、写真美術館での「即興 ホンマタカシ」はビートルズのあの曲へのオマージュ。


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恵比寿の写真美術館(TOP MUSEUM)では企画展「即興 ホンマタカシ」が開催されています。

日本の写真家ホンマタカシがこの10年あまりで制作してきた作品を中心にした展覧会です。

写真美術館ではこの「即興 ホンマタカシ」と同時期開催で写真・映像をみる装置の歴史をたどる《何が見える? 「覗き見る」まなざしの系譜》、 1970年前後から現在に至る風景論をめぐる写真表現をたどる《風景論以後》という展覧会も開催されています。併せて鑑賞するとカメラの歴史とそれを逆行することで見た都市の風景、そして人類が見た原風景という大きな流れで構成されていることが分かります。その中核を成すのがこの《即興 ホンマタカシ》です。

ホンマタカシ

1962年東京生まれの写真家でいわゆる商業写真出身です。

でも90年代にはイギリスのカルチャー誌「i-D」上で活動するなど単なる商業写真というジャンルにとどまらない活動を続けています。

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The Narcissitic City

会場は写真美術館2階の展示室です。

▲「即興 ホンマカタシ」展の中核を成すのが「The Narcissitic City」シリーズ。

建築物の一室をピンホールカメラに仕立て都市の風景を撮影したものです。

写真技術の始まりはピンホールカメラで、それが持ち運び式のカメラへ進歩したのですが、それをDevolutionさせてみようという試みです。

コンセプトはDevolutoinですが、でも展覧会の英語タイトルは「Revoution 9:」です。

▲見ると風景は上下逆さま。

ピンホールカメラなので写像は上下逆になりますから。

撮影対象となっているは都市の風景や丹下健三、磯崎新、ザハ・ハディッドらの代表的建築などです。

▲展覧会のキービジュアルに採用されている写真も「The Narcissitic City」シリーズの作品。ニューヨークの給水塔です。

左は代々木のドコモタワーではなくニューヨークのエンパイヤステートビルだと思います。

Camera Obscura Studies

前半のセクションと後半のセクションの繋ぎエリアの展示作品も興味深いです。

▲中央に展示されているのは《Seeing Itself》というミラーを使ったインスタレーション。

そして四方の壁には《NY》というニューヨーク市の風景を印刷したもの、《Camera Obscura Studies <青山→六本木、建築で建築を撮る>》を印刷したものが貼られています。

どちらもピンホールカメラで、つまり建築から建築物を撮ったものです。

六本木から青山といういつも目にする風景ですが逆さまだし歪んでいるし目に新鮮に映ります。

Mt. FUJI

後半はここ10年あまりの作品が展示されています

▲風景写真や人物、それに抽象写真などバラエティ豊かですが、特に富士山はお気に入りのモチーフのようです。

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Revolution 9:

「即興 ホンマタカシ」展の英語タイトルは「Revolution 9:」。

”レボリューション#9” と聞くと誰もがビートルズの通称ホワイトアルバムの曲を想起すると思います。

実際ホンマタカシはビートルズの曲へのオマージュとしてこの展覧会を構成しているようです。

▲会場の中央には中に入れない小部屋が設置され、ピンホールに見立てた小穴から中を覗き込んで鑑賞します。

覗き込むと「Revolution」と文字が見えます。これは《Revolution》という「The Narcissitic City」シリーズの作品。

▲別の小穴から除くと「9」という文字が見えます。これは《No.9》という「The Narcissitic City」シリーズの作品。

ビートルズのRevolution#9は即興演奏ではなくミュージック・コンクレートという、様々な音源をコラージュする現代音楽の手法による作品なのですが、この展覧会も様々な風景や技法をコラージュして成立しているのです。

またこの小部屋の中にはアップライトピアノやスティールドラムが置かれていて音楽の即興パフォーマンスを行えるようになっています。私が訪問した日は生憎何も起こらなかったのですが、ときどき本当に即興でパフォーマンスが行われるそうです。もし遭遇したらラッキーですよ

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写真撮影と鑑賞時間について

写真家の展覧会ですが写真撮影は原則OKです。ただし動画撮影は禁止です。

作品数は全61点と小規模ですし映像作品もないので鑑賞時間は30分あればひと通り見ることができると思います

併せて観たい展覧会

地下展示室で開催されている足立正生や大島渚をフィーチャーした「風景論以後」は全部見ると数時間かかりますからそれと比べれば短時間で鑑賞可能です。

また3階展示室では写真と映像の歴史を振り返るコレクション展「TOPコレクション 何が見える?」も開催中です。

写真美術館の3階から一つづつ展覧会を見ていくと、ピンホールカメラ、つまりカメラ・オブスクラからの写真の歴史(何が見える?展)、現代のテクノロジーからカメラ・オブスクラへ逆行して撮った現代の都市の風景(即興 ホンマタカシ)、そして人間の原風景とも言える2000年以変わらぬパレスチナの風景(風景論以後の足立正生)と一つの流れで繋がっていることが分かります。3階の《何が見える?》展からフロアを降りながら地下の《風景論以後》まで順番に鑑賞するのがおすすめです。

10月1日の都民の日は入館無料でしたが11月2日から5日までのアートウィーク東京(AWT)では全ての展覧会に特別価格で入館できます。誰でも無料で乗れるAWTシャトルバスに乗って訪問するか、美術館内に設置されるAWTデスクで参加証をもらって写真美術館のチケット売り場で提示してください。

基本情報

即興 ホンマタカシ


2023年10月6日(金) ~ 2024年1月21(日)

月曜休館 10:00~18:00(木・金は20:00まで)

チケット料金:一般 700(560)円/学生 560(440)円/中高生・65歳以上 350(280)円
※( )は写真美術館の映画鑑賞券ご提示者、各種カード会員割引料金、アートウィーク東京特別価格

オンラインによる日時指定予約を推奨していますが当日券もあり

東京都写真美術館

京都目黒区三田1-13-3 MAP

アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩約7分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩約10分

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