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豊嶋康子とサム・フランシスと横尾忠則とMOTアニュアル2023。東京都現代美術館で今見られる3つの展覧会


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清澄白河の東京都現代美術館では「豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表」と「MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ」とMOT コレクション展「歩く、赴く、移動する 1923→2020」が開幕しました。

12月9日の毎年恒例となるオノ・ヨーコの《東京のウィッシュ・ツリー》と併せて観てきました。展覧会3つとおまけの展覧会が1つ、それにイベント1つ。鑑賞は3時間コースでした。

それぞれの展覧会の見どころなどを紹介します。

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豊嶋康子《発生法──天地左右の裏表》

▲30年にわたり活動を続ける現代アーティストの豊嶋康子の初めての大規模個展です。

▲90年代の初期作品から新作まで、約400点という大規模な展覧会です。ユーモラスなものか社会性を感じるヘビーなものまで。

このサグラダ・ファミリア教会のジグソーパズルは意外な形で展示されています。

▲壁のそろばんは《エンドレス・ソロバン》という初期作品。33年ぶりの公開だそうです。

▲これはビジュアルインスタレーション。表現の幅が広いです。

▲豊嶋康子康子名義の預金通帳。

▲株式を購入する行為も作品です。中には紙くず(無価値)になってしまった株券もあって、それも展示されています。

表現の幅が広いアーティストなので飽きません

写真撮影について

展覧会は、東京都現代美術館の1階展示室です。展覧会は写真・動画撮影可能です。住所など個人情報がバッチリ書かれた書類もありますが、それらも含めて撮影可能です。

また、展覧会の公式図録は2024年2月頃刊行予定だそうです。

基本情報

豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表 

2023年12月9日(土) – 2024年3月10日(日)
10:00 – 18:00
月曜休館 年末年始 (12/28-1/1 )、1/9、2/13
一般 1,400円 / 大学・高校・65歳以上 1,000円 / 中高生 600円 /小学生以下無料
3月1日以降はWelcome Youth 2024で高校生以下無料

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MOTアニュアル2023 《シナジー、創造と生成のあいだ》

MOTアニュアルは1999年から続くに、若手作家の作品を中心に現代美術の一側面をとらえるグループ展のシリーズです。

19回目となる2023年はアーティストによる「創造」とNFTや人工知能(AI)のうに自動的に「生成」のあいだを考察するがテーマです。

参加作家は荒井美波|後藤映則|(euglena)|Unexistence Gallery(原田郁/平田尚也/藤倉麻子/やんツー)|やんツー|花形槙|菅野創+加藤明洋+綿貫岳海|Zombie Zoo Keeper|石川将也/杉原寛/中路景暁/キャンベル・アルジェンジオ/武井祥平|市原えつこ|友沢こたお。

▲展覧会のキービジュアルに使われているのは荒井美波の新作です。

▲作家の直筆原稿を針金で立体化する作品が真骨頂。まさに創造と生成です。

ちなみにこれは三島由紀夫の「春の雪」です。

後藤映則の作品は3Dプリンタとスリット光源を使いあたかも動いているかのような不思議な残像が作品です。

▲同様の大型彫刻も屋外に展示されています。実際にぐるぐる回っています。

夜になるとライトアップされるので、鑑賞するなら日没後以降が良いでしょう。

この作品の凄さと特徴は動画で▼

やんツーの大掛かりなインスタレーション。

テーマは”電力”。スイッチを押すとモーターが動いてバイクを上げ下げします。

スイッチを押すのは鑑賞者ですから探して押してみてください。

▲大阪・関西万博の日本館にも参画している下級国民代表のアーティスト、市原えつこはディストピア時代の美食をテーマにした新作です。

やはりディストピアをテーマにした作品を熱海アートグラントでも発表しているのでもし機会があれば熱海も訪問してみてください、

▲これも市原えつこ。

▲スライム状の物質と人や人形が絡み合う作風で知られる友沢こたおの作品。

▲展示室の片隅に置かれた箱。気づかない人も多いですが、これは作品なので忘れずに鑑賞しましょう。

撮影について

写真撮影は、写真・動画撮影可能です。ただし(euglena)の作品だけは展示室内も含めて写真も動画も撮影禁止です。

基本情報

MOTアニュアル2023 シナジー、創造と生成のあいだ

2023年12月2日(土) – 2024年3月3日(日)
10:00 – 18:00
月曜休館 年末年始 (12/28-1/1 )、1/9、2/13

一般 1,300円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 900円 / 中高生 500円 /小学生以下無料
3月1日以降はWelcome Youth 2024で高校生以下無料

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MOTアニュアル extra

今年はMOTアニュアルの開催に合わせ、メタバースをテーマにしたアワードなどのプロジェクトを紹介する 《MOTアニュアル extra》が同時開催されています。

▲場所は地下2階。入場無料です。

▲東京藝術大学や東京大学による展示。

▲日本テレビによる日テレイマジナリウムアワード関連の展示。

いわゆるメディア・アート、メタバース系の展示が多いです。MOTアニュアル2023は有料ですが、こちらは入場無料です。

基本情報

MOTアニュアル extra

2023年12月9日(土) – 2024年3月3日(日)
10:00 – 18:00
月曜休館 年末年始 (12/28-1/1 )、1/9、2/13

入場無料

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MOTコレクション展《歩く、赴く、移動する 1923→2020》

企画展を2つ(とextra)を観ただけでかなりパワーを吸い取られるし、疲労困憊になるのですが、それでも忘れてはいけないのが、MOTコレクション展です。

今は《歩く、赴く、移動する 1923→2020》が開催されています。

通常のコレクションに加え、特集展示として《横尾忠則–水のように》と《生誕100年 サム・フランシス》の展示もあります。

▲コレクション展では初公開となるオラファー・エリアソンの《クリティカルゾーンの記憶(ドイツ-ポーランド-ロシア-中国-日本)no.1-6》。

話題の麻布台ヒルズギャラリーでのオラファー・エリアソン展の記憶が新しいです。

他にも久保田成子のヴィデオ作品などもあるのですが紹介したくなる重要な作品ほど撮影禁止なのです。

生誕100年 サム・フランシス

昨年、45歳の若さで亡くなった作家の作品です。目を惹くのは瀬戸内芸術祭で、作家本人も長く滞在した小豆島において2013年から2019年まで展示された「花寿波島の秘密」です。作品に包まれる体験ができる大型インスタレーショ

▲東京都現代美術館の巨大な展示室に4点だけ。

サム・フランシスの大きな絵画のシリーズ。

横尾忠則―水のように

一番ボリュームがあるのが横尾忠則です。同名の展覧会が11月まで開催されていましたが内容が一部変更になっています。

それとほぼすべて撮影禁止になりました。

ジャケット・デザインを手がけたサンタナ(Santana)の日本公演を収めた「Lotus(邦題:ロータスの伝説)」が展示されていたのが感慨深いです。22面というレコードジャケットの枠を飛び出した大掛かりなもので、たまたまサンプルを見せられたボブ・ディランが思わずヨダレを垂らし、マイルス・デイヴィスは自身のライブアルバム「アガルタ(Agharta)」のジャケットを横尾忠則に依頼したという大傑作です。レコードジャケットがアート作品として公立美術館の展覧会で展示されるようになったのですね。

▲ただ宮島達男作品のある最後の展示室に展示されている横尾忠則だけは相変わらず撮影可能です。

今回のMOTコレクション展は横尾忠則コレクション展+サム・フランシスそしてコレクション作品という構成で、ほぼ横尾忠則メインです。

写真撮影について

サム・フランシスは撮影可能、横尾忠則は最後の数点を除き撮影禁止。久保田成子も撮影禁止。コレクション展はオラファー・エリアソンは撮影可能、それ以外も原則撮影可能だけど個別に禁止作品ありという状況です。

展覧会基本情報

MOTコレクション 歩く、赴く、移動する 1923→2020

2023年12月2日(土) – 2024年3月10日(日)
10:00 – 18:00
月曜休館 年末年始 (12/28-1/1 )、1/9、2/13

一般 500円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下無料
3月1日以降はWelcome Youth 2024で高校生以下無料


《東京のウィッシュ・ツリー》

豊嶋康子展などは12月9日開幕だったので、今年はオノ・ヨーコの《東京のウィッシュ・ツリー》プロジェクも併せて参加することができました。

これはジョン・レノンが暗殺された日(現地では12月8日ですが日本時間では12月9日)に、願かけの来に願い札を下げることができるというもので毎年開催されています。

▲参加費は無料。

願い札(右)にメッセージを書いて願かけの木にぶら下げるという観客参加型のパフォーマンスです。

願い札と一緒にポストカードももらえます。

▲イベントは10時から16時まで。

写真は16時にイベントが終わった時点でのもの。多くの願い札が下がっていますね。これはアイスランドにある《イマジン・ピース・タワー》に送られ納められます。

イベント基本情報

オノ・ヨーコ《東京のウィッシュ・ツリー》

開催日:毎年12月9日
10:00 – 16:00
予約不要、参加費無料


現在、東京都現代美術館では、2つの企画展+1とMOTコレクション展が開催中です。1日ですべて鑑賞して3時間でした。

さて、さて、全部で4つの展覧会。1日でまわるか、日を改めるか、悩ましいところですね。

また東京都現代美術館の各所にあるパブリックアートも変わりがないかチェックも欠かせません。

せっかく清澄白河まできたら周辺のカフェも一緒にどうですか?▼

建築好きはここまで足を伸ばしたい

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