コンテンツへスキップ

オペラシティのICCで開催中の「坂本龍一トリビュート展」。遺された作品や関わりのある作品から貴重なライブ映像まで。


<
フォローする
シェア:
記事の評価

東京オペラシティのNTTインターコミュニケーション・センター(略称ICC)で2023年に亡くなった坂本龍一が遺した作品データやコラボ作品、そして関わりのあったアーティストからのトリビュート作品を展示する《坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア》展が開催されています。

テクノロジーへの関心が深くインターネットやメディア・アートの領域でも活動していた坂本龍一はICCとも深い関わりを持っていました。その坂本龍一の、特にメディア・アート的作品をライゾマティクスの真鍋大度がキュレーションした展覧会です。

ICC「坂本龍一トリビュート展」, 2023年 写真:建築とアートを巡る

最晩年にはダムタイプの高谷史郎ともよくコラボし、最後にはダムタイプに加わってしまった坂本龍一。一般的にはYMOでの活動や「戦場のメリークリスマス」などが知られていますが、その音楽的出自もあってかなりアヴァンギャルドなアート/音楽活動をしていた人です。

その尖っていた音楽/アート/メディア部分に焦点を当てた展覧会なので、坂本龍一入門編としては非常に楽しめるものになっています。またICC館内のシアターでは坂本龍一のパフォーマンスやライブの記録映像も上映しているのも見逃せません。

2024年は12月に東京現代美術館で大規模な個展「坂本龍一展(仮)」の開催が予定されていますから、その前哨戦として訪問するのも良いでしょう。

2月18日のNHK教育「アートシーン」でも紹介される予定です。ICCでの展覧会には都合が付かなくても番組と本記事で内容はバッチリ把握できると思います。

スポンサーリンク

Tribute to RYUICHI SAKAMOTO

坂本龍一トリビュート展の構成は大きく3部。

会場に入ると大きなスクリーンが2つあって、それぞれでライゾマティクスの真鍋大度がキュレーションした映像作品が上映されています。

どれもその音楽というかサウンドクリエーションを坂本龍一が担当しています。

ICC「坂本龍一トリビュート展」, 2023年 写真:建築とアートを巡る

▲展示室に入って左側のスクリーンには《センシング・ストリームズ 2023-不可視,不可聴》(ICC ヴァージョン)。

もともとは2014年に制作された坂本龍一+真鍋大度の作品ですが、その2023年バージョンです。

様々な周波数帯の電磁波を可視化したものだそうです。

さらにこれは観客参加型の作品でもあって、写真に見えるコントローラーを操作することで周波数帯や可視化のアルゴリズムを変更することができます

ICC「坂本龍一トリビュート展」, 2023年 写真:建築とアートを巡る

▲コントローラーを操作して可視化アルゴリズムを変えてみたところ。

上の2枚の写真はどちらも同じ作品なのです。

コントローラーを操作すると言ってもボタンを押すか回すだけの簡単なものなので是非トライしてみてください。

ICC「坂本龍一トリビュート展」, 2023年 写真:建築とアートを巡る

▲もう一つのスクリーンには3本の映像作品がシーケンシャルに流れています。ただ途中に9分間のインターミッションがありますけど。

写真の作品は404.zero(フォーオーフォー・ドットゼロ)の《The Sheltering Sky – remodel》という作品。

坂本龍一の《The Sheltering Sky》の音符を入力データにして、一連のアルゴリズムによってビジュアライズするというものです

▲これは真鍋大度+ライゾマティクス+カイル・マクドナルドによる《Generative MV》という作品。

ジェネレーティブMVということは最近話題の「生成AI」ならぬ「生成MV」ということですね。

坂本龍一の映像は2020年のオンラインコンサート《Ryuichi Sakamoto: Playing the Piano 12122020》で演奏された「Perspective」。そのグリーンバックの部分に生成MVがリアルタイムで画像を生成していきます。

これも観客参加型の作品で、iPadにテキストを入力するとAIがそれに応じてリアルタイムで背景画像を生成します。他人のテキストから生成された画像を見るよりも、自分で入力したテキストから生成された映像を見る方が絶対楽しいです。これも是非トライしてみてください。

写真は「螺旋階段と東京」と入力して出てきた背景です。

ただ生成AIもそうですけど《生成MV》も真っ当な推論機能を持たないのでちょっとおバカです。期待するような画像を生成させるには工夫がいりそうです。

展示作品

映像作品が上映される部屋のさらに奥がインスターレションやアーティストたちからのメッセージ、映像作品などがが展示されている部屋。

▲中央に置かれたピアノのインスターレションは毛利悠子の《そよぎ またはエコー》。

元々は巨大な作品でしたがこの展覧会向けに再構成しています。

▲ダムタイプ(Dumb Type)のアナログレコードを使ったサウンドインスタレーション《Playback》がありますが、2022年に世界各地のフィールドレコーディングを坂本龍一がディレクションして《Playback 2022》として再制作されました。

ここではその2022年バージョンが展示されています。

坂本龍一が加わったダムタイプの展覧会としてはアーティゾン美術館でのダムタイプ展が記憶に新しいですね。

▲2023年に発表された坂本龍一の遺作「12」はそのジャケットのために李禹煥がドローイングを描き下ろしたことでも話題になりました。

その「12」に使われた《遥かなるサウンド》(右)と病気の回復を祈って李禹煥から個人的に贈られた《祈り》も展示されています。

他にもalva notoとのコンサート映像などもありますが、それはICCのシアターで大画面版を観ることができます。

上映プログラム

ICCのシアターでは坂本龍一が出演したパフォーマンスやコンサートの記録映像が上映されています。

シアターの入場はICCの入場料を払えば無料ですが、シアターの定員は29名までなので上映作品の人気度や曜日時間帯によっては競争率が高いです。Webから事前予約するのが無難ですが、毎朝11時の開館から配布する整理券をもらって入場するのも可能です。正直朝の11時にICCに来るような人はほとんど居ないので楽勝でゲットできると思います。

上映されるのは次の5作品です。

《LIFE – WELL》 – 野村萬斎+坂本龍一+高谷史郎

《After the Echo》 – カミーユ・ノーメント、坂本龍一

《insen live (short)》 – alva noto + ryuichi sakamoto

《Glass》 – Alva Noto & Ryuichi Sakamoto , Yayoi Kusama

《「坂本龍一 with 高谷史郎|設置音楽2 IS YOUR TIME」 コンサート》 – 坂本龍一

各上映枠で1本の上映ですが、insen live とGlass はどちらも30分前後の作品なので1上映枠で2本となります。

詳細な上映スケジュールや鑑賞レギュレーションについては公式サイトで確認してください。

スポンサーリンク

鑑賞前に知っておきたいこと4点

1. 写真撮影は?

今回の展覧会は写真撮影可能です

2. 手荷物は?

無料ロッカーに荷物を預けて鑑賞しよう。ロッカーはICCの受付の先にあります。

3、坂本龍一トリビュート展の混み具合は? 

週末より平日、午後より午前中の方が空いています。

平日の午前中が一番人が少なくてオススメです。

4、高校生以下とシニアは無料!

ICCは高校生、65歳以上のシニアは無料です。

これから坂本龍一やサウンド系のメディア・アートを知っていきたい高校生とか、坂本龍一などYMO以前からよく知ってるわいというシニアな方々も大変ありがたいんじゃないでしょうか。

 

▲坂本龍一トリビュートですがアート/メディア・アート領域のアーティストたちとのコラボレーションだったりレスペクトを受けての作品が多く、こっち方面の坂本龍一の姿を垣間見えるのが興味深い展覧会です。

そして本命とも言える2024年12月からの大規模個展《坂本龍一展(仮)》の開催が待ち遠しいですね。

坂本龍一が加わったダムタイプ展の記事▼

基本情報

 坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア


2023年12月16日(土) –  2024年3月10日(日)

11:00 – 18:00
月曜休館、2月11日は臨時休館

入場料:一般800円、大学生600円、高校生以下と65歳以上は無料 

事前Web予約推奨

NTTインターコミュニケーション・センター(略称:ICC)

新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー4階 MAP

スポンサーリンク
シェア:
同じカテゴリーの記事 スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

コメントを残す