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天井が高くて広い!谷根千にある 彫刻家のアトリエ兼住居 台東区立朝倉彫塑館


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JR日暮里駅から徒歩で5分ほどの場所に位置する彫刻家、朝倉文夫(あさくらふみお)の元自邸兼アトリエをご存知でしょうか。現在この場所は、台東区立の公共施設として一般に開放されています。いわゆる区立の個人美術館です。

画家の個人美術館は公立私立共に日本全国とても多いですが、彫刻家(正確には彫塑)のしかもアトリエ兼住居をセットで作品鑑賞できるというのは、とても興味深い存在です。ですから、都内ということもあってこれまでに数度訪れています。

外観 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る
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朝倉文夫

1883年(明治16年)朝倉文夫は大分県大野郡上井田村(現豊後大野市朝地町)の村長であった渡辺要蔵の三男として生まれます。

わずか9歳の時に、養子として朝倉宗家を継ぎます。19歳で地元の旧制竹田中学校を中退して実兄で彫刻家の渡辺長男を頼って上京し、彫刻の道を志します。

1903年(明治36年)東京美術学校の彫刻選科に入学。驚くべきことに在学中に1200点もの作品を制作し首席で卒業しました。

卒業後彫刻家として活動しつつ、東京美術学校の教授に就任し、多くの若手を育成しました。更に1948年(昭和23年)彫刻家として初めて文化勲章を受賞します。

驚異的な質と量で「墓守」など数々の傑作を創り上げ、自然主義的な写実主義と呼ばれる作風を確立し「東洋のロダン」と称されるほどです.

二人の娘、朝倉摂と朝倉響子もアーティストとして活躍しました。長女の摂は、舞台美術や画家として、次女の響子は彫刻家です。

郷里の大分県豊後大野市には、清家清設計による朝倉文夫記念館があります。

いつかこの大分県の記念館にも訪れてみたいと思っています。

入口 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

アトリエ

朝倉文夫がこの地、谷中にアトリエと住居を構えたのは1907年(明治40年)です。当初は小さな建物でしたが、敷地の拡張や増改築を重ね彫刻作品を制作するように、アトリエと住居の建築を手がけていました。

現在の朝倉彫塑館として公開されている建物は1935年(昭和10年)に建てられたものです。もちろん、朝倉文夫による設計です。地上3階建てに中庭と屋上庭園のある巨大な個人邸です。

実際に中に入るとわかりますが、そここに工夫が凝らされており、朝倉文夫が相当なこだわりを持って設計したことがわかります。

玄関から入って最初のスペースはアトリエです。彫刻家のアトリエだけあって、その天井の高さに驚かされます。

天窓があってふんだんに自然光が入り、床には作品が床下から上下する装置も備わっています。残念ながらこの作品制作の際に上下する装置が作動するところは見られません。記録写真のみです。

巨大なアトリエ空間にも当然、朝倉文夫の作品が展示されています。そして、書斎、応接室と続きます。

蘭の間前のテラス 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

住居

五典の池と呼ばれる大きな池のある中庭を取り囲むように和室が続きます。ここは寝室や、茶室、居間などです。これら和室スペースも入ることができます。

中庭の五典の池は朝倉文夫の素案に造園家の西川佐太郎が製作しました。朝倉文夫はこの庭を自己反省の場として作ったのたそうです。ですから庭に配された石には各々、仁、義、礼、智、信と名付けられています。

中庭をみながら、さらに2階の和室、3階の朝陽の間を通って屋上庭園へと向かいます。

中庭 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

屋上庭園

コンクリート建築の屋上に作られた庭園は、日本の屋上緑化の先駆け的存在です。
早くから屋上緑化を試みた朝倉文夫は、この場所を朝倉彫塑塾の園芸実習の場として利用していました。

「砲丸」台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る


植物の世話を通して土に親しみ、自然を観察する目を育むこと、触覚をはじめとする感覚を研ぎ澄ませることを目的とした、朝倉文夫独自の教育論に基づいています。
現在は一部に菜園を再現しているので季節よっては花が咲いているところが見られます。

屋上庭園からの眺望 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

なお屋上庭園は悪天候の場合閉鎖することがあります。

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蘭の間

最後に見られるのは、蘭の間です。温かい日差しが差し込む最高の場所です。ここは、趣味の東洋蘭栽培のための温室として作られました。

蘭の間 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

また、朝倉文夫は大の猫好きで、多いときは10匹以上の猫を飼っていたそうです。

彫刻家が愛した猫たちをモチーフにした可愛らしい猫たちの作品を鑑賞することができます。たくさんの猫たちがいるこの場所を「猫の間」とも呼ぶそうです。

蘭の間のトップライトから見る「砲丸」台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

蘭の間の天窓からは、屋上の作品「砲丸」を下から見ることができます。

蘭の間の階段 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

▲いかにも彫刻家らしい手すりの階段。

このような独創的なマテリアル使いや意匠を至る所で見ることができるので、しっかり観察しましょう。

写真撮影について

最後に原則朝倉彫塑館は館内撮影禁止です。ただし、館内の蘭の間だけは撮影可能な日や時間帯があります。蘭の間の写真撮影が可能な時は入り口に写真撮影可能の掲示がされています。

ただし写真撮影禁止の場合もあるので注意しましょう。また、館内での動画撮影は禁止です。

屋上庭園はいつでも写真撮影可能です。

蘭の間 台東区立朝倉彫塑館 写真:建築とアートを巡る

谷根千エリアにはいろいろ興味深い施設があるので、アート散歩にはおすすめの場所です。

私は、近くにある平櫛田中邸やSCAI THE BATH HOUSEとあわせて訪れることが多いです。

基本情報

台東区立朝倉彫塑館


9:30-16:30 月・木休館

入館料:一般 500円、小・中・高校生 250円

毎週土曜は台東区在住・在学の小、中学生とその引率者の入館料が無料

台東区谷中7丁目18番10号 MAP

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