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「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」を安藤忠雄建築21_21 DESIGN SIGHT で


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六本木駅からも乃木坂駅からもアクセス便利な東京ミッドタウンにある21_21 DESIGN SIGHTへ行ってきました。21_21 DESIGN SIGHTは、デザインを中心に建築やアート、テクノロジーなど様々なジャンルを横断した独自の企画展を開催しているアートスペースです。

ギャラリーというには広く、美術館としてはコンパクトな、鑑賞するにはちょうどいいボリュームの空間の建築設計はあの安藤忠雄です。コロナ禍が終息した現在は、平日・休日関係なく世界中からの訪問者が絶えません。

その魅力はオリジナリティ高い21_21 DESIGN SIGHT独自の企画展の開催も当然ですが、やはり建築空間の美しさです。特に海外からの訪問者は展示物と同じくらい建築空間を真剣に鑑賞しています。

そんな世界中から注目されている空間で今回開催されている展覧会は、24年8月まで開催の「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」展です。

「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年
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山中俊治

今回の展覧会ディレクターは山中俊治です。

山中俊治は東京大学工学部を卒業後、日産自動車でカーデザイナーとして活躍した後、1991年から94年まで東京大学で特任准教授を務め、1994年にはリーディング・エッジ・デザインを設立しました。

山中研究室+新野俊樹「Ready to Crawl」, 「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

腕時計から家電、家具、鉄道車両など幅広い製品を手がける一方で、科学者と共同でロボットビークルや3Dプリンタ製アスリート用義足など先進的なプロトタイプを開発しました。

また、Suicaを含む日本全国のICカード改札機の共通UIをデザインしたことでも知られています。

山中研究室+新野俊樹「Ready to Crawl」,「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

2013年から東京大学で教授を務めています。

また、山中俊治はニューヨーク近代美術館永久所蔵品の選定にも携わっています。自身もグッドデザイン賞金賞、毎日デザイン賞、iFデザイン賞、Red Dotデザイン賞など、数々の受賞歴を持っています。

そんなデザインエンジニアの山中俊治が大学の研究室でさまざまな仲間と協力して制作してきたプロトタイプやロボット、スケッチを紹介するのが今回の展覧会です。

さらに、7組のデザイナー・クリエイターと科学者・技術者が山中と共同で作り上げた作品も同時に展示されています。

千葉工業大学 未来ロボット技術研究センター(fuRo)+山中俊治 「Halluc IIχ」,「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

萬代基介

今回の展覧会の会場構成は、萬代基介(萬代基介建築設計事務所)です。萬代基介といえば最近では、西麻布の超有名なバブル建築ナイジェル・コーツのWALLにAVEXが開いた新スペースWALL alternativeが記憶に新しいところです。コンクリートを削り出した階段は、何度も何度も上り下りしたくなります。

今回はどんな空間になっているのでしょうか。

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects「TYPE-V Nature Architects project」,「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

このスペースのメイン会場となる中央の一番広い展示スペースにはゆるく撓んだ展示台が並んでいます。

天板が亜鉛メッキ鋼板で仕上げられこの撓んだ展示台は、2018年にブラジル・サンパウロなど海外で開催された日本の文化発信拠点であるJAPAN HOUSEで行われた「Prototyping in Tokyo」展で使用されたものを再構築したものです。

さまざまな高さで薄い天板を支えるポイントが配置され、鉄板の自重による「たわみ」を美しい曲線としてデザインしています。

どういうことかというと平らで薄い鉄板を、波打った形状にデザインするために高さが異なる脚が取り付けられているのです。

「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

文章にすると容易に聞こえますが、実際に脚が垂直になるように、天板が波打った形状に対応するためには、脚自体に微妙な角度をつけて溶接する必要があるということです。

はい!実際に形にするには、ものすごい大変です!

展覧会に行ったら是非、そんな職人技にも目を向けてみてください。

「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

参加作家

展覧会に参加しているのは、荒牧 悠+舘 知宏、稲見自在化身体プロジェクト+遠藤麻衣子、A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(fuRo)+山中俊治、東京大学 DLX Design Lab+東京大学 池内与志穂研究室、nomena+郡司芽久大。

そして、山中研究室+さまざまな分野の研究者たちです。

稲見自在化身体プロジェクト+遠藤麻衣子「自在」,「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

遠藤麻衣子監督による短編映画『自在』も上映されています。

さらに、会期中、オンライン上の架空のギャラリー、ELEMENT GALLERYでも関連展示があります。

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触れる

基本的に展示品に触ることはできません。

A-POC ABLE ISSEY MIYAKE+Nature Architects「TYPE-V Nature Architects project」,「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

撓みの美しい展示台のある中央の大きな展示スペースにある展示品は、基本お手ふれ厳禁です。

「未来のかけら: 科学とデザインの実験室」21_21 DESIGN SIGHT, 2024年

しかし、安藤忠雄の美しすぎる階段の横にある集成材の展示台にあるものは、実際に手にとってその感触や不思議な動き、手触りを体験することができます。

実際に触れてみることで展示されていたものへの興味が深まります。

21_21は展覧会も当然ながら、その美しい建築空間もじっくり体感したいのでかなり時間を要します。時間に余裕を持って訪れたい場所です。

 

 

 

 

 

 

基本情報

企画展「未来のかけら: 科学とデザインの実験室

 

2024年3月29日(金)- 8月12日(月)

10:00 – 19:00 火休

チケット:一般1,400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料

21_21 DESIGN SIGHTギャラリー1&2

東京都港区赤坂9-7-6 MAP

アクセス:都営大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、 千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分

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