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まだまだ制覇には程遠いものの、これまでにかなりの安藤忠雄建築を巡ってきたつもりである。その中でも印象深く、最も鮮烈かつ明媚な建築がここベネッセハウスオーバルかもしれない。

ベネッセハウスオーバルは瀬戸内海に浮かぶ島のひとつ、直島にあるベネッセコーポレーションが運営するホテル、美術館、飲食などで構成されたアートと自然が融合する他に類を見ない複合施設にあるホテル棟だ。直島のベネッセハウスはどこを切り取っても、素晴らしい施設であるが、特に目を見張るのはベネッセハウスオーバルだ。

私はこれまでに直島に4回訪問し、そのうち2回このオーバルに宿泊した。そもそもこのオーバルは、宿泊者しか足を踏み入れることができない建築である。それゆえ、オーバルの中に、というかオーバルに近づいたのは3回目の直島の時が初めてだった。

近づくのでさえ初めてと書いたのには理由がある。オーバルへは専用のモノレールに乗ってアプローチするのだ。このモノレールの乗車はもちろんのこと、モノレール乗り場にさえ宿泊者しか入れないシステムになっている。往復するモノレールの姿すら宿泊者以外の人間はみることもできないのだ。

この徹底したスペシャルな場所は、たったの6室しか部屋がない。そのうち2部屋は瀬戸内の絶景を望む広々としたバルコニーのあるスイートルームだ。

初めてオーバルに宿泊した時は、スタンダードなオーバルツインに泊まった。それでもコンパクトなバルコニーから望む瀬戸内の景色は、風光明媚という言葉でさえ陳腐に感じるくらい美しいものだった。ちなみにオーバルツインは、4つのうち2つ(405、406)はバルコニーがないので注意したい。全身で瀬戸内の海を眺めながら風を受けてこそのオーバルだ。ただし、冬の場合寒いので、草間彌生のカボチャが見下ろせるバルコニーのない部屋でもいいのかもしれない。

前置きが長くなったが、この建築はその存在自体が「建築の神様からの贈り物」だ。それは誰にとってもそうであろうと確信する。そのくらい、季節、天候、時間で美しい表情の変化を見せてくれるのだ。

できることなら何泊もして、晴れの日も曇りの日も雨の日も、ずーっとただひたすらバルコニーから瀬戸内の水平線を眺めていたいとさえ思う。

オーバルの6つ並ぶ扉の中央2つがスイートルームだ。オーシャンビューのセンターに位置するからだ。3回目の直島で初めて泊まったオーバルツインは、それだけで大興奮だったし、大奮発だった。にもかかわらずその後、オーバルに再び訪れ、さらにオーバルスイートに宿泊できたのは、個人的な「建築の神様からの贈り物」があったからだった。

それは、2021年にベネッセによって開催されたフォトコンテストで、なんと私の写真が大賞として選ばれたのだ。3回目にして初のオーバルに宿泊した際に立ち寄った犬島精錬所美術館で撮影した写真だ。

▲この個人的に名付けた「犬島の奇跡」によって、第1回 ベネッセアートサイト直島Instagramフォトコンテスト大賞を受賞し、その賞品がオーバルスイート宿泊券だったのだ。

まさにミラクルが生んだミラクル。このことでいろんな運を使ってしまったのかもしれないが、こんなに素敵な贈り物だったらそれでいい。そう思わせてくれる出来事だった。ちなみにその後フォトコンテストの第2回は行われていない。

このようなミラクルは、そう何度も起こることではないだろうが、ベネッセハウスオーバルは、その存在そのものが「建築の神様からの贈り物」であることは間違いない。

建築とアート、またはどちらかが好きであるならば、絶対に一度は訪れるべき場所である。

 

 

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