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建築の神様からの贈り物

建築の神様からの贈り物 vol.11 柳澤孝彦 設計 東京都現代美術館
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清澄白河にある木場公園に隣接する東京都立の現代美術の美術館である。現代美術館と銘打っているが、近年では早朝から長蛇の列ができたクリスチャン・ディオール展やミナペルホネン展と言ったファッションの展覧会、ジャン・プルーヴェ展やオスカー・ニーマイヤー展、吉阪隆正展といった家具デザインや建築の展覧会、井上泰幸展やピクサー展など特撮やアニメの展覧会、石岡瑛子展のようなデザイナーの展覧会など、企画展の内容の幅はとても広い。

歴代館長も初代館長こそ学芸員として活躍したのちに名だたる美術館の館長を歴任した人物だったが、その後は財界人の著名な方々が名を連ねている。

2002年から2011年まで館長だった氏家氏は日本テレビの出身だ。この間、スタジオジブリ展が2回、ハウルの動く城展が1回の合計3回のスタジオジブリの企画展が開催されているのは偶然ではないだろう。短期間に3回も公立美術館で企画展を開催することができたのは、それなりの動員数を叩き出し方からに違いない。

現在のようなSNS時代ではなかった頃だから、ゴリゴリの現代美術の展覧会よりもジブリの方がよっぽど動員数を稼いだのではなかろうか。これはあくまで個人的な憶測の話である。

そんな東京都現代美術館の設計は柳澤孝彦によるものだ。1995年に開館したこの美術館はバブル時代に計画されたいわゆる箱物建築で、巨大なロビー空間の空調代はとんでもない金額だと聞いたことがある。ここまで巨大なロビー空間が必要だったかどうかは、置いておいて、庶民にとっては気軽に出入りできる文化施設の導入としては気持ちのいい空間だ。その空調代の原資が我々の血税だとしても。

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この巨大ロビーの下に、親水公園がある。親水公園は、柳澤孝彦が手がけた文化施設には必ずと言ってもいいほど設置されている。初台にある東京オペラシティ、長野県上田市のサントミューゼにはかなりの面積の親水公園がある。もちろんどちらも柳澤孝彦設計の施設だ。

東京都現代美術館の親水公園の水面反射はとても美しい。季節や時間によっては、巨大ロビーの天井にもゆらめく水面の反射を見ることができるのだ。

また、ゆらめく水面の反射だけでなく、ロビー空間に入る陽光が水玉模様の影を落とすさまも美しい。この影も季節や時間限定だ。

天井に反射する水面の揺らぎもロビー空間に広がる水玉模様の影も両方も見られたとしたらそれはラッキーだ。

東京都現代美術館

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