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今銀座で見ておきたい展覧会3選!熊谷亜莉沙、崔在銀、資生堂ギャラリー第八次椿会


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例年にないあたたかい芸術の秋となった東京。暑くて長くて辛い夏がようやく終わり、夏休みにできなかった分を取り戻すかのように薄着でアート巡りをしたい方に、薄着の芸術の秋に銀座で見ておくべき展覧会を紹介します。

京橋方面からギャラリー小柳の熊谷亜莉沙、銀座のど真ん中の銀座メゾンエルメスフォーラムの崔在銀、中央通りを新橋方面に歩いて資生堂ギャラリー第八次椿会がオススメです。

猛暑ではとても歩ききれなかった京橋から新橋までの距離ですが、今年の秋は汗ばむくらいです。

芸術の秋到来!銀座でアート巡りをしましょう。

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年
エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年
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ギャラリー小柳>

熊谷亜莉沙個展「神はお許しになられるらしい」

2020年にギャラリー小柳で開催された個展で初めて熊谷亜莉沙の作品を見てから、脳裏に焼き付いて離れないその作品の強烈な魅力に取り憑かれました。

どの作品も真っ黒な背景に浮かび上がるモチーフは写真と見紛うほどリアルで、真正面を向くことなく、どこか物憂げな空気に包まれています。

熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年
熊谷亜莉沙「私はお前に生まれたかった」, ギャラリー小柳, 2022

その後2022年の個展「私はお前に生まれたかった」では、展覧会のアイコン、あるいはその時の熊谷亜莉沙を象徴するかのようなモチーフだった陶器の豹の顔が、作家自身の手で破壊され、みるも無惨な姿が克明に描写されています。

象徴的なモチーフだった陶器の豹の顔は誰の目にも触れられることなく、作家の手によって葬られてしまいました。

また、この時の個展では平面作品とともにテキストが添えられていました。

絵画と言葉で静かに、だけれどもとても強い力で心を突き上げられるような個展でした。

熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年
熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年

今回真っ黒な世界に浮かび上がるのは前回の個展でも登場していたカトリックのモチーフです。

熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年
熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年

▲今回の個展でもテキストが出品されています。

前回はテキストも額装されていましたが、今回は中央のテーブルに活版印刷で詩集としてまとめられています。

熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年
熊谷亜莉沙「神はお許しになられるらしい」, ギャラリー小柳, 2023年

ツルッとした味気ないオンデマンド印刷ではなく、活版印刷なところがとてもいいので、是非その手触りを味わいながら読むのがおすすめです。

詩集を読みつつ作品を鑑賞してこその個展です。

ギャラリー小柳での最初の個展から、今回の3回目の展覧会まで熊谷亜莉沙の壮大なスケールの物語を読み進めているようです。

この物語にはまだまだ続きがありそうですから今から楽しみです。

熊谷亜莉沙は今後の活動に期待大のアーティストです。

基本情報


2023年10月31日­(火)- 2024年1月13日(土)

12:00–19:00 日月祝休

ギャラリー小柳

中央区銀座1丁目1−7−5 銀座小柳ビル 9F MAP

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<銀座メゾンエルメス フォーラム>

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展

銀座メゾンエルメスフォーラムで開催しているエコロジー:循環をめぐるダイアローグ展の第一弾ダイアローグ 1 “La Vita Nuova” Jaeeun Choi「新たな生」崔在銀(チェ・ジェウン)展が開催されています。

崔在銀と聞いて懐かしいと感じる人も少なくないでしょう。80年代、90年代にはよく名前を耳にした記憶です。

当時は、崔在銀(チェ・ジェウン)ではなくて崔在銀を(さいざいぎん)と呼んでいました。

久しぶりに作品を目にしたのは2019年の原美術館の「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」でした。

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年
エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年

今回の個展では、レンゾ・ピアノ設計の空間を2フロア全て使った展覧会です。

下のスペースの小さい方の展示室はガラスブロックが、布で覆われ強い光が入らないように工夫されていました。

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年
エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年

ダイアローグ展は今回の個展と次回のグループ展の2回開催されます。

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年
エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年

共に、エコロジーの概念を幅広く「エネルギーの循環の在り方」としてとらえ、地球環境における人間の生活や物事に焦点を当てて、自然との関係性を通してアプローチするアーティストの展覧会です。

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年
エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展, 銀座メゾンエルメスフォーラム, 2023年

崔在銀の個展では、旧作から最新作までを見ることができます。また、この展覧会は森美術館の「私たちのエコロジー」の関連企画でもあります。

この夏、そしてこの秋の異常な暑さにエコロジーを真剣に考えることが喫緊の課題であることを実感している人も多いでしょう。

森美術館「私たちのエコロジー」

基本情報

エコロジー:循環をめぐるダイアローグ ダイアローグ1 「新たな生」崔在銀展


2023.10.14(土)~2024.1.28(日)

11:00–19:00 不定休(店舗に準ずる)

入場無料

中央区銀座5丁目4−1 8階 MAP

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<資生堂ギャラリー>

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」

2021年にスタートした第八次椿会のメンバー杉戸洋、中村竜治、Nerhol (ネルホル)、ミヤギフトシ、宮永愛子、目[mé]による2回目のグループ展です。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年

1回目の2021年「触発/Impetus」をテーマに、ギャラリーの母体である資生堂が椿会展で蒐集してきた美術収蔵品から、第八次椿会のメンバーが「あたらしい世界」を触発される作品を選び、その作品に呼応する自身の作品を展示するというものでした。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年

2回目は「探求/Quest」をテーマにメンバーで一つの作品空間を作り上げました。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
宮永愛子 “message(2019/2021/2022/2023)”「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年

今回もアフターコロナを背景として生まれてきた、自ら決断するのではなく自然のままに「放置」することや、「無関心」に関心を向けることを手繰り寄せていき、展覧会タイトルの“ただ、いま、ここ”を大切にするというテーマが生まれました。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年

6組アーティストそれぞれが大切にする“ただ、いま、ここ”とは何なのでしょうか。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
目[mé]”小さな窓”, “景体”「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
▲目[mé]の作品は複数出品されていましたが、足元の写真を見忘れないように。

また、Nerhol (ネルホル) の作品も思いもよらぬところにあるので見落とし注意です。

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
中村竜治 ”untitled”「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年

▲左:杉戸洋「インナーディスコ2」、手前:中村竜治「untitled」、右奥:ミヤギフトシ「Banner(From Ondine)」

「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年
中村竜治 ”untitled”, 「第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”」,資生堂ギャラリー, 2023年

第八次椿会の最終回の展覧会です。ゆっくり時間をとって鑑賞したい内容です。

基本情報

第八次椿会 ツバキカイ 8 このあたらしい世界 “ただ、いま、ここ”


2023年10月31日(火)~12月24日(日)

火~土 11:00~19:00  日・祝 11:00~18:00 月休

入場無料

資生堂ギャラリー

中央区銀座8丁目8−3 資生堂銀座ビル B1F MAP

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