緑豊かな箱根の森の中にある美術館 ポーラ美術館で「モネ-光の中に」とロニ・ホーン展

箱根にあるポーラ美術館は、緑豊かな森の中にある美術館です。美術館内はもちろん、森の遊歩道で散策しながらアート鑑賞することができるので、屋内も屋外も楽しい美術館です。

ポーラ美術館


美術館建築

ポーラ美術館は富士箱根伊豆国立公園内に位置し、建物の高さを8m以下に抑えるよう自然公園法で定められている地域でもあります。ですから建物のほとんどが地下に埋まっています。それゆえに緑豊かな箱根の森と一体化する美術館となったのです。

設計は日建設計、施工は竹中工務店です。敷地面積56,919㎡、美術館の延べ面積は8,098㎡。地上2階地下3階建の規模の大きい私立美術館です。

館内に入ると大きなガラス面に映る、雄大な小塚山の風景が目に飛び込んできます。地下2階から地上2階まで、美術館の中心を貫いたアトリウムロビーは、つねに自然光が降り注ぎ明るく開放的です。

ポーラ美術館

南側の壁一面の光壁は、高さ20mに及びます。それは、太陽の一日の動きによって陽の差し込み方が変化して、美しい光の表情を描いた大きな絵画のようです。

ポーラ美術館

ミュージアムカフェ

天井が高くてガラス張りの明るく開放的なカフェです。ポーラ美術館では常に複数の展覧会を開催しているので、合間にちょっと一息入れたくなりますね。そんな時はミュージアムカフェチューンでコーヒーブレイクです。スイーツや軽食もあるので小腹が空いた時にも便利です。

 

ポーラ美術館

ポーラ美術館にはレストランアレイもあって、こちらはテラス席が気持ちいいスペースです。また、企画展コースメニューやヴィーガンメニューもあります。


森の遊歩道

ブナやヒメシャラなどの美しい樹木に囲まれた全長約1kmの遊歩道は、四季折々の草花や鳥のさえずりを聞きながら心と身体をリフレッシュさせるアート散策路です。

写真の作品は青野セクウォイア「Dexter Head」▼

ポーラ美術館 遊歩道 青野セクウォイア「Dexter Head」

箱根に行っても実は、そんなに自然と触れ合うってできないような気がします。ですから、天気が良ければ絶対に散策することをお勧めします。

実は、美術館以上に癒しの場所です。

ポーラ美術館のコレクション

ポーラ美術館は2002年の開館から、ポーラ創業家2代目の鈴木常司氏によって収集されたその数なんと9500点に及ぶコレクションを、さまざまなカテゴリーやテーマで展示するコレクション展を中心とする美術館でした。

近代美術の巨匠の作品の数々

そもそも鈴木氏が最初に入手した作品が藤田嗣治の「誕生日」と荻須高徳の「バンバン城」ということもあり、ポーラ美術館のコレクション展では、たびたび藤田嗣治の作品を目にすることができます。

更に、モネやシャガール、ルノワールにマチスといった近代美術の巨匠たちの作品の数々もコレクションしているので、個人のコレクションとは到底考えられないような展覧会を開催してきました。

しかし、大変残念なことにこの膨大なコレクションを所蔵するポーラ美術館の開館前に鈴木氏本人は美術館を目にすることなく亡くなっています。

その後、鈴木氏の突然の死により遺産相続のお家騒動などもあったようですが、ポーラ美術館は現在も滞りなく運営されています。

ポーラ美術館

展覧会「モネー光の中に」

鈴木氏のコレクションの中でも貴重な作家の1人クロード・モネを集めたコレクションの展覧会です。ポーラ美術館は、印象派を代表するモネの作品を国内最多の19点も収蔵しています。

この展覧会は、貴重なモネの作品を間近で鑑賞できるだけでなく、様々な試みが行われています。

ポーラ美術館 モネー光の中に

中山英之デザイン

会場構成はこのブログでも<「ルネ・ラリック リミックス ー 時代のインスピレーションをもとめて」東京都庭園美術館>で紹介した中山英之によるデザインです。モネの作品がかけられているのは、なんとトタンです。トタン壁に展示されたモネの作品が見られるのなんて世界中探してももここだけだと思います。

また、壁の緑色にも意味があって、額装のガラスに反射して何かが映らないように作品と対面する場所には、全て緑の壁が立っています。実際に鑑賞するとあまりにも反射がなさすぎてガラスが入ってないのかと思ったくらいです。

壁面が曲線を描いているのも意味があって計算し尽くされた結果です。色も曲線もレイアウトも光も全て綿密な計算によるもので、意味があります。

ポーラ美術館 モネー光の中に

奥に見えるのはモネの代表作「水蓮」のシリーズです。▲

光に注目!

更に、すごいのは光です。モネは自然光で作品を制作したので、自然光でモネの作品を鑑賞するという試みはベネッセの地中美術館などですでに行われています。

今回のモネ展では何が行われているかというと、展示室の天井を覆い、天井と壁の境界線を消しています。そして、その白い天井全体に照明をあてて、天井全体を発光させています。これによって何が起きるかというと影が出ないのです。確かに、全然影がないんです。すごい!会場内の光は朝9時頃の光に調整されています。

照明デザインは豊島の横尾館やcomplex665のギャラリーシューゴアーツ、渋谷パルコのファサードや屋上などを手がけた岡安泉氏です。

マジックアワー

「夕暮れ時」の照明でモネの作品を鑑賞できる特別企画『マジック・アワー ~モネと歩く夕暮れ~』が2021年12月1日(水)~12月25日(土)の期間限定で開催予定です。

どういう内容かというと、12 時から 16 時の毎時 00 分、 1 日 5 回、各 3 分間だけ展示室の照明を、通常の朝9時頃の光から「夕暮れ時の光」に切り替えます。朝の光から暖かく柔らかなマジックアワーの光に変化するのを目の当たりするだけでなく、その光でモネを鑑賞できるなんて贅沢な企画じゃないですか!

これはすごく面白そうです。光の変化でどのように作品が変わっていくのか体験してみたいですね。

「モネー光の中に」展覧会期

2021年4月17日(土)~2022年3月30日(水) 撮影可能、動画NG


現代美術の展覧会

これまで、ポーラ美術館は、鈴木氏の膨大なコレクションを中心とした近代美術の展覧会を中心に開催していました。しかし、2017年に開館15周年を記念してチケット売り場の横にアトリウムギャラリーというスペースを開設しています。このスペースでは主に公益財団法人ポーラ美術振興財団の助成を受けた現代美術作家の活動を「HIRAKU PROJECT」と題して紹介しています。

2017年10月に第一回目の「橋爪 彩|GIRLS START THE RIOT」から始まったHIRAKU PROJECTは現在の「中嶋 浩子 CONTINUUM|この世界を構成するもの」で第12回目を数えます。

手前の金属ラインは、建築家の津川恵理設計・デザインによる来館者誘導装置「Spectra-Pass」で、奥のカラフルな幾何学模様が中嶋浩子作品です。▼

ポーラ美術館 中島浩子、建築家の津川恵理さん設計・デザインによる来館者誘導装置「Spectra-Pass」

更に今年9月からはポーラ美術館として初の現代美術作家の個展「ロニ・ホーン展」を開催しています。(ロニ・ホーン展については下部参照ください↓)

現代美術好きとしては、今後もこのような展開に期待したいと思っています。


ロニ・ホーン展

ここ2−3年積極的に同時代の美術を展開してきているポーラ美術館でロニ・ホーンの個展が開催されています。ポーラ美術館としては開館以来、大型企画展としては初めての現代美術作家の個展です。そして、ロニ・ホーンの美術館での個展も日本初です。

期待を膨らませて訪問しましたが、その大きく膨らんだ期待を全く裏切らない内容でした。

ロニ・ホーン

展覧会風景は動画を参照ください。▼

遊歩道の展示

展覧会は館内だけではありません。遊歩道にも1点ありますので、必ず鑑賞してください。この作品は1kmある遊歩道の中でも美術館に近い場所にあるので、天候が悪くても観るべきです。雨なら雨の美しさがある作品です。

ロニ・ホーン


ミュージアムショップには、ロニ・ホーングッズもたくさん。ロニ・ホーン作品をお箸に見立てたこのグッズは最高!▼

ロニ・ホーン

ロニ・ホーン展覧会期

ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?

2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水)

入館料大人1800円、大高生1300円 撮影可能、動画NG

ポーラ美術館基本情報

ポーラ美術館

9:00-17:00  年中無休

神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285 MAP

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