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ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム TOPとMOTで特別上映 + 特別鑑賞会


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2022年1月10日の1日限定で行われたユージーン・スタジオの展覧会「新しい海」の特別プログラムに参加しました。このプログラムは東京都写真美術館にて映画上映、その後アーティストによるギャラリートークが東京都現代美術館で行われました。

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東京都写真美術館の特別上映会

1日限定の特別プログラムは短編映画2本の上映と閉館後の東京都現代美術館にて、アーティストによるギャラリートーク開催の2本立てで行われました。

映画の上映は東京都写真美術館の1Fホールにて3回に分けて上映されました。各々劇場の半数(席は1席おき)の上映でした。

ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

最初に東京都現代美術館の学芸員による解説の後、東京都現代美術館の公式HPにも掲載されている4分間の展覧会ティザー映像からスタートしました。

その後、寒川裕人監督による2本の短編映画の上映。この2本の映像はこれまでにもいくつかの映画祭で賞を受賞しており、現在もいくつかノミネートされているそうです。ノミネート中には、一般に向けた上映ができないので、今回このような特別上映という形式で、展覧会期間中特別に鑑賞会を開催したということです。

ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

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LLAFRETAW 山水

この映像は8分間のとても短い作品です。全編モノクロで、出てくる俳句は松尾芭蕉。

内容は、2014年から撮りためた東北地方に伝わる山岳宗教の山道の山水画のような風景をまとめたもの。

映像の冒頭にあるようにアーティスト自身が「光を待った」行為を、観賞者は映像を通じて追体験することができます。

人を寄せ付けない厳しい自然の切り取り方が美しく、映像と音楽がマッチしていました。

ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

Purple,Green,Blue

この作品は、登場人物がいて、ストーリーのある短編映画です。性的マイノリティ、身体障がい者、人種差別、臓器移植、血縁のない親子、家族の死など20分の中に主題がてんこ盛りの内容でした。

寒川裕人は、監督、脚本、美術監督を務めていますが、その製作過程は長いワークショップのようだったと語っています。

ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

この2本の映画を一緒に見るのは、アーティスト自身も初めてだそうです。

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東京都現代美術館の特別鑑賞会

閉館後の東京都現代美術館で行われたギャラリートークは、写真美術館で上映された3回分の参加者が全員集まるので、かなりの人数でした。

ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

ユージーン・スタジオのギャラリートークだから、マイクを持ったアーティストが、会場内を先導しながら、解説してまわるという普通のギャラリートークじゃなくて、何か仕掛けがあるんじゃなかろうかと、勝手に想像を膨らませていましたが、よくあるごくごく普通のギャラリートークでした。

最初に担当学芸員からの挨拶、その後、寒川裕人にマイクが渡され、作品について語るというもの。

私が勝手にハードル上げすぎでした。

ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

寒川裕人は、話が長くなってしまうので、事前にまとめてきたというメモを見ながら、トークが始まりました。また、時間的に全ての作品の解説はできないから半分くらいの作品の解説になるという前置きがあってスタートしました。実際その通りになりました。

ギャラリートークは40分くらいだったと思います。その後、20分ほど展覧会を自由に鑑賞できる時間が設けられていました。

私が聞き取ったトーク内容の抜粋を列記します。多少の齟齬があるかと思いますがご容赦ください。

また、特別鑑賞会での写真撮影は禁止だったので、展覧会場の写真は昨年観賞時に撮影したものです。

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ホワイトペインティング

タイトルは、このキャンバスにキスをした人全員分の名前なのですが、異常に長いので通称「ホワイトペインティング」です。

この作品は、1020年、更にそれ以上の時間が経過していくととともに、参加した人々はいなくなり、この作品は墓標へと変化していく。人はいなくなっても作品は残る。

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海庭

東京都現代美術館に初めて訪れた時に、海の風を感じたので調べてみたら、昔ここは海だったとわかったので、海を表現しようと考えた。

当初は、美術館の地下だし、この地が海の底だったので”海底”を表現しようと考えたが、結果的に現在の”海庭”になった。

想像

この作品一点と、それ以外の作品全部が同じ比重というくらい、この展覧会で最も重要な作品。

短編映画「山水」を製作中に頭に浮かんだもの。

見ようとしても見えないもの、見えないものを見えたかのように頭の中で考える。それが想像。

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家具や床について

アーティストのドナルド・ジャッドやジョセフ・アルバースも家具を製作しているが、おそらく息抜きだったのではないだろうか。

自分も会場内のソファは、スタジオで制作したものを置いている。他の椅子は自分のアトリエで使っているものを持ってきている。ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

床は、既存のフローリングの上にアトリエと同じタイルを貼っている。展覧会空間をアトリエに近い空間にしたかった。ユージーン・スタジオ「新しい海」1日限定特別プログラム

制作について

学生時代に母を亡くした。その半年後に今までわからなかったある美術作品が、世界で一番よく見えた。この経験から、人は変わる。でも作品は変わらない。変わらない作品があることで、人は自分の変化に気付けるのだと思った。

美術作品は全体のためでなく一人のためにあると思っている。これからも一人のために作り続けていきたい。


ギャラリートークでも、共生と共に”多様性”について語っていましたが、多種多様な表現が今後どう展開していくのか楽しみです。なんせ平成生まれのアーティストですから、まだまだ先は長い。

夜の人工的な光で見る「海庭」も綺麗でした。

ユージーン・スタジオ「新しい海」の展覧会はこちら▼

映える展覧会!ユージーン・スタジオ 新しい海 東京都現代美術館

また今回の展覧会「新しい海」の公式展覧会図録、チームラボやライゾマティクスとユージーン・スタジオなど新しいデジタルアートの分かりやすい解説本などもAmazonからどうぞ。

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