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建築の神様からの贈り物

建築の神様からの贈り物 vol.13 安藤忠雄 設計 国際芸術センター青森
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国際芸術センター青森(以下ACAC)は、安藤忠雄の設計により2002年に開館したアート施設だ。

具体的には滞在制作ができるアーティスト・イン・レジデンス、展覧会開催、教育普及を行う現代美術の複合施設である

そして、ここの建築もまた直島の地中美術館や六本木の21_21design sightなど安藤忠雄が手がける他の美術館などと同様、ACACのその主たる建築が八甲田山麓の豊かな自然の中に隠れており、建築の全体が「見えない」のだ。

かといってここは先にあげた地中美術館や21_21design sightのように地中に埋まっているわけではない。豊かな森の中に身を隠すように3つの建築が建てられている。

3つの建築というのは、円形の野外ステージを兼ね添えた展示棟、木工、銅版画、写真などの制作ができる創作棟、滞在できる宿泊棟で構成されている。創作棟や宿泊棟は一般は見学できない。

展示棟は展覧会が開催されていれば中にも入れる。

美術図書室を備えた休憩スペースとなっているラウンジは、以前はカフェ機能があったが、コロナ以降カフェはなくなってしまったようだ。

コロナでもなんでもない時に訪れたが、カフェのスタッフがほとんど人が来ないと言っていたのをよく覚えている。半円形の野外ステージの前の水盤の水面がキラキラと輝き、とんでもなく素敵な光景を目の当たりにできるカフェだったが、如何せん遠い。

車で行ったから良いものの、公共交通機関でたどり着くのはかなり大変なところだ。

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今回、建築の神様からの贈り物としてピックアップしたのは、ACACの3つの建築ではない。もちろん一般でも見学できる展示棟もとっても気持ちの良い建築だ。また、そここに現代美術アーティストのパブリックアートも設置されている。まさに建築とアートを巡るにふさわしい場所なのだ。

しかし、訪れて車を停めて最初に出会した空間に心を持っていかれた。「四季のアーケード」という名のアーチ型のコリドーも、もちろん安藤忠雄の仕事だ。

網のように構成された木製のアーケードは、太陽の光を受けるとその影がまるでアートだった。四季のアーケードというくらいだから、時間、天気、季節で様々な表情を見ることができるだろう。

私が訪れた時も行きと帰りでは表情が全然違った。一度の訪問で何度でも美味しい四季のアーケードだ。

はっきり言って東京からすごく遠いし、行くのは簡単ではないけれど、その苦労を一瞬で忘れさせてくれる建築の神様からの贈り物だった。

国際芸術センター青森

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